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債券上昇、日銀の指し値オペで買い-「威嚇射撃に終わった」との声も

更新日時
  • 先物は40銭高の150円82銭まで上昇、長期金利一時0.005%に低下
  • 金利上昇は抑える用意あるとのアナウンスメント効果-ドイツ証

債券相場は上昇。前日に中期債主導で相場が大幅に下げた反動に加えて、日本銀行が初の指し値オペを実施したことで金利上昇が抑えられるとの観測が広がり、買いが優勢となった。

  17日の長期国債先物市場で中心限月12月物は、前日比11銭安の150円31銭で取引を開始し、150円28銭まで下落した。その後は水準を切り上げ、午前の日銀金融調節で指し値オペが通知されると水準を切り上げ、一時150円82銭まで上昇。結局は29銭高の150円71銭で引けた。

長国先物の日中取引推移

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の344回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)高い0.02%で開始。いったん0.025%に上昇した後は下げに転じ、午後には0.005%まで水準を切り下げている。
 
  日銀はこの日午前の金融調節で、固定利回りで金額に制限を設けずに国債を買い入れる指し値オペを実施した。対象は残存期間「1年超3年以下」と「3年超5年以下」となり、2年物国債370回債の利回りはマイナス0.09%、5年物国債129回債はマイナス0.04%で買い入れると通知。ただ、オペ通知を受けて各年限の利回りが急低下したことや、実勢より高い金利設定だったため、ともに応札はゼロだった。

  ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、「日銀としては10年金利を0%程度に収めるとともに、イールドカーブ全体の形をみる必要がある中で、手前の金利が上がってくることによって、10年金利が相対的に上がっていくリスクがあった」と説明。「ボラタイルな展開になれば、2年や5年でも金利の上昇は抑える用意があるというアナウンスメント効果があった」とし、「昨日に比べれば、相場はだいぶ落ち着きを取り戻している」と話した。

Bank Of Japan Governor Haruhiko Kuroda Speaks At The Kyodo News Meeting

日銀の黒田総裁

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  中期債は堅調。新発2年物の370回債利回りは5bp低いマイナス0.16%、新発5年物の129回債利回りは4bp低いマイナス0.10%で取引された。前日はともに9カ月半ぶりの水準まで売られた。

  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、今回の指し値オペについて、「中短期債の利回りが想定外に0%に近づいたことを受けた措置」と指摘。結局、「威嚇射撃に終わった」としながらも、「なかなか中短期債の下値を攻める動きは出にくくなる」とみる。

20年債入札

  財務省がこの日に実施した20年物利付国債(158回債)の価格競争入札の結果は、最低価格が100円40銭と、市場予想の100円65銭を下回った。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は3.17倍と前回の3.39倍から低下。小さければ好調とされているテール(最低と平均落札価格の差)は40銭と、前回の7銭から急拡大し、2014年11月以来の大きさだった。

  予想を下回る入札結果を受けて、新発20年物利回りは一時2.5bp高い0.47%と9月14日以来の水準まで上昇。その後は0.44%に戻して推移している。 

  ドイツ証の山下氏は、20年債入札について、「金利のレベル的にはそんなに悪くないとの見方も多かったと思われるが、ボラティリティの高い環境でリスクは取りたくないとの意向も働きやすく、テールが若干流れるのも仕方がない」と指摘。平均落札価格が100円80銭と高めなので、「そこまで悪いという感じではない」と言う。

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