コンテンツにスキップする

藤井内閣官房参与:来年度予算は2.3兆円拡大を-GDP600兆円実現へ

  • 新幹線、クルーズ船港湾、再生エネルギーに充当を
  • トランプ大統領で対米輸出増-日本も内需拡大で貿易摩擦回避を

藤井聡内閣官房参与は、安倍晋三政権が掲げる国内総生産(GDP)600兆円目標の実現に向けて、2017年度予算の国債費を除く歳出規模を前年度当初比2.3兆円程度増やすべきだと訴えている。16日、ブルームバーグのインタビューで話した。

  京大大学院教授の藤井氏は、名目GDPが平均で年率3.1%成長すれば、21年には600兆円超のGDPを確保できると説明。「民間支出の伸びが期待できない現在、政府が支出を拡大しなければ成長を下支えできない」として、600兆円目標を達成するまでは当初予算を毎年3%程度拡大すべきと訴えた。17年度当初予算では額にして2.3兆円程度の拡充を求めた。

  歳出拡充は的を絞るべきだとして、新幹線やクルーズ船受け入れ港湾の整備、再生可能エネルギー投資などに厚く配分するよう提案。「600兆円目標の達成までは拡大財政をとりつつも、達成後は税収増加分をそのまま支出に回す均衡財政への転換が望ましい」と話した。

  政府内で検討が始まっている16年度第3次補正予算は、ロシアへの経済協力や復興関連経費など政治案件の経費も計上することになるとの見通しを示した。

  安倍首相は15年9月、自民党総裁に再選されたのを受けて「戦後最大の国民生活の豊かさ」を実現するためにGDP600兆円を目標として掲げた。6月には「GDP600兆円に向けた成長戦略」を閣議決定し、観光立国の実現や介護ロボットへの投資を盛り込んだ。17年度政府予算案の概算要求では、国債費を除いた総額は76兆8533億円で前年度当初予算比約5.1%増となっている。 

トランプ大統領

  藤井氏は、トランプ氏が新大統領に就任することが決まった米国は今後、積極財政政策を展開するため、内需が拡大し日本の対米輸出は増加すると予想。一方で米国の対日輸出が少なければ、貿易摩擦につながり、米国の対日感情は悪化するとして、日米間の外交課題を少なくするためにも日本の内需拡大は喫緊の課題だと訴えた。

  足元の経済状況について藤井氏は、消費税率引き上げを受け内需は低迷していると指摘。「政府支出以外に内需を拡大する手立てはない」として、安倍政権は財政政策を中心とした経済財政運営をとるべきだと主張した。その際、必要な資金を低金利で調達できる環境が望ましいとして、日本銀行には「今の金融政策を維持してほしい」と述べた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE