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ドル・円は109円台前半、トランプ政策期待のドル高・円安に一服感

更新日時
  • 6月以来の高値圏から108円79銭まで下げる場面も
  • トランプ期待の動きにいったんブレーキかかってもよい-BofA

16日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=109円台前半で推移。前日の米国市場で、良好な経済指標などを背景に6月以来の水準までドル高・円安が進んだ流れを引き継いで始まったものの、持ち高を減らすためのドル売りに上値が抑えられたとみられている。

  午後3時30分現在のドル・円相場は前日比0.1%安の109円11銭。早朝に付けた109円21銭から午前に108円79銭まで下げる場面もあった。相場は米大統領選直後の9日に付けた安値101円20銭から15日の高値109円34銭まで5営業日で8円以上のドル高となった。

  三菱東京UFJ銀行金融市場部為替グループの野本尚宏調査役は、ドル・円相場について、「トランプ米次期政権の政策への思惑だけで金利が上昇してきたが、ちょっと一服感が出てきている」と指摘。「明日、安倍首相とトランプ次期大統領の会談や米消費者物価指数(CPI)、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言などがあり、そこに向けて新しいポジションは作りづらい。そういう点では足元の上昇に対するポジション調整が入りやすい時間帯にもなっている」と述べた。  

ドル・円相場の推移

  バンク・オブ・アメリカ外国為替本部の岩崎拓也営業本部長は、「トランプ期待からの動きもいったんブレーキがかかっても良い感じ。基調としてのドル高・円安に変更はないが、いったん心理的にレンジの上限に近い水準に来ている」と説明。「110円付けることは大した問題ではない。ただ110円よりも円安水準で推移できるのか。株価動向が重要」と述べた。

  16日の東京株式相場は、米国景気の先行きに対する楽観的な見方などが追い風となり銀行株を中心に上昇。TOPIXは2月以来の高値を付けた。中国人民銀行は16日、人民元の中心レートを9営業日連続で引き下げ、2008年8月以来の低水準となる1ドル=6.8592元に設定した。

  バンク・オブ・アメリカの岩崎氏は、「新興市場の軟調地合いでもリスクセンチメントは悪化しておらず、株高基調は変わらない。ドル高はリスク資産に対してネガティブ圧力につながる懸念はあるが、まだそういう兆候はない」と分析した。

BAUM COLUMN

ドル紙幣

Photographer: Daniel Acker/Bloomberg News

  15日の米国時間に米商務省が発表した10月の小売売上高は前月比0.8%増となり、市場予想(0.6%増)を上回った。フィッシャーFRB副議長は、債券利回りの動きをひどく憂慮すべきものとはまだ受け止めていないと発言。またボストン連銀のローゼングレン総裁は、財政刺激拡大なら金融政策引き締めペース加速もあり得るとの見解を示した。

  三井住友銀行の山下えつ子チーフエコノミスト(ニューヨーク在勤)は、「米小売売上高が比較的強かったこともあり、12月の利上げがほぼ確実という見込みの中で、またもう一段ドルが上昇した」と指摘。「12月だけではなく、来年の利上げのペースが少し速まるかもしれないという意見も出ているので、そうすると金利の先高観でまた一段とドルが買われるという感じ。このままだと、年末は110円どころではなく超えてしまいそう」と述べた。

  米金利先物動向に基づきブルームバーグが算出した12月の連邦公開市場委員会(FOMC)での米利上げ予想確率は、15日時点で94%と14日の92%から上昇した。

  三菱東京UFJ銀の野本氏は、「ここからFOMCまではちょっとレンジでの動きに移行する可能性が高い」と予想。「12月利上げよりも、先々についてどういうインプリケーションがあるかが重要」と指摘し、米大統領選後に利上げペース加速の期待が高まる中で、「ドットチャートで来年3-4回といったものが示されるかといった点が鍵になりそうだ」と述べた。

  ユーロ・ドルは同時刻現在、0.2%高の1ユーロ=1.0748ドル。前日の海外市場では一時1.0714ドルまでユーロ安・ドル高が進行した。

  バンク・オブ・アメリカの岩崎氏は、ユーロ・ドルは新規のショートが持ち込まれていると指摘。その上で、「トランプ氏勝利が欧州の混乱につながる可能性がある。来月のイタリアでの国民投票、来年はフランス、ドイツで選挙を控えている。Brexit(英国の欧州連合離脱)交渉も本格化していく。先行き不透明感が広がり、ユーロの下押しにつながっている」と語り、2015年初以降のレンジ1.05~1.15ドルの下限が一つのターゲットとの見方を示した。

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