16日の東京株式相場はTOPIXが5営業日続伸し、2月以来の高値を付けた。予想以上に強い小売統計など米国景気の先行きが楽観視され、1ドル=109円台まで進んだ円安も好感された。金利の上昇傾向が収益改善につながる銀行株が大幅高、輸送用機器や鉱業、情報・通信株など幅広い業種が高い。

  TOPIXの終値は前日比18.67ポイント(1.3%)高の1421.65と2月2日以来の高値。日経平均株価は194円6銭(1.1%)高の1万7862円21銭と反発し、2月1日以来の高値となった。

  三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは、「リスク選好的な円安が続く中、アジア株の下げ一服が日経平均を一段と押し上げた」と指摘。経済統計の好調などから米国の12月利上げの織り込みが進み、「為替市場では既に1ドル=110円を意識した動きになっており、今後も日本株の堅調な地合いは損なわれない」との見方を示した。

東証内の見学者
東証内の見学者
Photographer: Junko Kimura/Bloomberg

  米商務省が15日に発表した10月の小売売上高は、前月比0.8%増と市場予想0.6%増を上回った。金利先物が織り込む12月の利上げ確率は、前週末の84%から94%に上昇した。同日の米国株は、S&P500種株価指数が0.8%高、ダウ工業株30種平均は4日連続で史上最高値を更新。ニューヨーク原油先物は5.8%高と7カ月ぶりの上昇率と、海外市場はリスク選好の動きとなっている。

  海外市場の流れを受けたきょうの日本株は、朝方から幅広い業種、銘柄に買いが先行。海外市場で5カ月半ぶりのドル高・円安水準となる1ドル=109円34銭を付けた為替も、企業業績の改善期待を高めた点でプラスとなった。きょうの東京市場では109円を挟んで推移した。15日の日本株終値時点は108円23銭。また、香港株の堅調などでアジア経済に対する懸念も和らいだ。

  野村証券投資情報部の伊藤高志エクイティ・マーケット・ストラテジストは、1ドル=109円が続けば、同証が調査するラッセル・ノムラ・ラージキャップ(除く金融)構成企業の2016年度経常増益率は1.4%になると分析。9月1日時点は、105円70銭を前提に0.9%増益予想だった。

  業種別上昇率のトップは、5.1%上げた銀行株。米10年債利回りが2.2%台と年初来高値圏にあるほか、16日の日本の長期金利は一時0.015%と3月以来の高水準となった。三井住友アセットの市川氏は、「銀行融資の利ざや拡大が期待され、資金が流入した」とみていた。

  東証1部の売買高は27億2666万株、売買代金は2兆8562億円で、代金は前日に比べ1割増えた。値上がり銘柄数は1585、値下がりは314。国内新興市場も買われ、マザーズ指数は2.4%高と3日続伸し1日以来、約2週間ぶりに900ポイントを回復した。

  東証1部33業種は銀行、鉱業、倉庫・運輸、保険、パルプ・紙、その他製品、空運、輸送用機器、海運、通信など32業種が上昇。不動産の1業種のみ下落。

  売買代金上位では、三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループの大手銀行株が大幅高。富士重工業や第一生命ホールディングス、マツダ、三井住友トラスト・ホールディングス、NTTドコモ、国際石油開発帝石も買われ、上期純利益が増益だったあおぞら銀行は急伸した。半面、三菱商事や三菱地所、三菱重工業、住友不動産、SMCは安く、ゴールドマン・サックス証券が中期経営計画は迫力を欠くと指摘したトヨタ紡織は大幅安。

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