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米国債:下落、利回りは10カ月ぶり高水準-ボラティリティが上昇

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14日の米国債相場は下落。米国債のボラティリティを示す指数は2月以来の高水準となった。トランプ次期米大統領が財政支出を拡大し、経済成長とインフレ加速を促すとの見方が広がっている。

Republican Presidential Nominee Donald Trump Holds Pennsylvania Campaign Rally

トランプ氏

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

  10年債利回りは2.26%と、終値ベースで年初来の最高水準となった。同利回りはわずか4カ月前には過去最低の1.318%まで下げていた。今年1月時点でアナリストらは年末の同利回りを2.75%と予測してた。

  トランプ氏の選挙戦勝利に反応して世界的に国債が売られ、先週の世界債券市場では過去最大の1兆2000億ドルが吹き飛んだ。投資家の間では共和党が財政出動による景気刺激策を講じるとみられている。2年債利回りはこの日一時、今年1月以降で初めて1%を上回った。米金融政策当局が来月利上げに踏み切るとの観測が強まっている。

  ドイツ銀行プライベート・ウェルス・マネジメント部門の債券取引責任者、ゲーリー・ポラック氏(ニューヨーク在勤)は「トランプ次期政権の政策をめぐる詳細が不足していることを考えると、ボラティリティは不確定要因によるものだ。不透明感が強い」と述べ、「適切な水準を見極める上で、相場が変動している」と述べた。

  ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前営業日比11ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.26%。同年債価格(表面利率2%、2026年11月償還)は31/32下げて97 21/32。2年債利回りは9bp上げて1%、30年債利回りは8bp上昇して3.01%と、1月1日以来の最高だった。

  CBOE/CBOT10年債ボラティリティ指数は4日連続で上昇し、2月以来の高水準となった。

Bond Volatility Surges

  10年債利回りの相対力指数(RSI、期間14日)は約83と、1990年以降の最高に上昇。同指数が70を上回ると、利回りの上昇が大き過ぎ、かつペースも速過ぎる可能性を示唆する。

  ブラックロックは米国債投資家にインフレ連動債(TIPS)を推奨している。10年債と同年限TIPSの利回り差は最大で1.97ポイントと、2015年4月以降で最も大幅。

  ブラックロックのロンドン在勤グローバル最高投資ストラテジスト、リチャード・ターニル氏はウェブサイトに掲載したコメントで、「選挙が終わってリフレーション傾向が見られるようになった。また米金融政策当局がインフレ加速の容認に前向きであることも長期債への圧力となっている」と述べ、「通常国債よりはTIPSを選好する」と続けた。

   ブルームバーグのデータによれば、TIPSのリターンは年初来約5.8%。通常国債は約2.3%となっている。

  ブルームバーグがまとめた金利先物動向によると、来月の利上げ確率は約92%。11月11日時点では84%だった。

  ルーミス・セイレスの運用者、マット・イーガン氏は「債券市場でパラダイムシフトが起きつつある」と述べ、「トランプ氏の政策は少なくとも額面通り受け止めると、景気のスラックが実際に引き締まりつつあり、積極的な金融政策を講じている中においてはインフレ的だ」と続けた。
  
原題:Treasury Rout Sends Yields to 10-Month High as Volatility Surges(抜粋)

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