コンテンツにスキップする

長期金利が2カ月ぶりプラスに上昇、米金利先高警戒感-5年入札弱め

更新日時
  • 先物は前日比29銭安の150円83銭で安値引け
  • ファンダメンタルズよりセンチメントが影響-みずほ証

債券相場は下落し、長期金利は約2カ月ぶりにプラス圏まで上昇した。米金利の先高警戒感がくすぶる中、この日に実施された5年債入札が弱い結果となったことから、17日に予定されている20年債の入札に不透明感が生じ、売り圧力が強まった。

  15日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の344回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値と横ばいのマイナス0.02%で開始。午後に5年債入札の結果が出ると徐々に売られ、2.5ベーシスポイント(bp)上昇の0.005%と9月21日以来の水準まで上昇した。

新発10年債利回りの推移

  長期国債先物市場で中心限月12月物は前日比7銭安の151円05銭で取引を開始。午前にいったん151円29銭まで値を戻したが、午後は下げ幅を拡大する展開となり、結局は29銭安の150円83銭と、この日の安値で引けた。

  マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長は、5年債入札の結果を受けて「雰囲気が悪いのだろう。様子を見たという感があり、20年債入札に向けて強くない方の布石になってしまっている」と指摘。引き続き向こう数日間の米債動向を見極める必要があるとし、「しっかりしてくれば、それなりの入札結果になるものの、米長期金利が2.4%を目指すような展開になると、あまりいい入札にならない可能性がある」と話す。

  14日の米国債相場は下落し、10年債の利回りは一時2.3%と、年初来の高水準を付けた。この日のアジア時間の時間外取引では2.2%台で推移している。

  嶋村氏は、「米次期政権の財政出動に関しては可能性は上がったと思うが、米債市場は思惑で動いている部分が大きい」とし、「大統領選から1週間が経過し、そろそろ冷静を取り戻してもいい」とみる。

  みずほ証券の辻宏樹マーケットアナリストは、「このところの金利上昇で10年債利回りなども長い目で見れば割安感が出ているが、海外金利がこれだけ急上昇している中では、すぐにはリスクを取りにくい。ファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)よりセンチメントが影響している状況だ」と指摘。「ロスカットのような動きでプラス圏浮上はあり得るが、投資家の需要が強い」とし、10年債利回りのプラス浮上については「長続きしない」との見方を示した。

Japan Finance Ministry Said to Plan 1 Trillion Yen Bond Sale

財務省

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  財務省がこの日実施した表面利率0.1%の5年利付国債(129回債)の価格競争入札の結果は、 最低落札価格が101円22銭と、市場予想の101円27銭を下回った。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は3.56倍と前回の4.31倍から低下。小さければ好調とされているテール(最低と平均落札価格の差)は5銭と、前回の0銭から拡大した。

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「マイナス金利が続くとみられる中で、5年債利回りの水準自体はそれほど悪くなく割安感もあった」と説明。ただ、米債利回りの低下や日本株の弱含みで「前場に先回り的に買いが出たことも影響した」と言う。

  17日には20年利付国債の入札が控えている。発行予定額は1兆1000億円程度となる。新発20年物の158回債利回りはこの日の取引で一時0.435%と、9月21日以来の水準に上昇している。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE