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トランプ氏がバーゼル規制骨抜きの不安-米規則策定妨げ、影響行使も

  • トランプ次期米大統領は金融規制の撤廃を掲げている
  • バーゼル委は銀行資本規制見直しの年内完了に向けて作業を急ぐ

ドナルド・トランプ氏が次期米大統領に選ばれたことで、2008年の金融危機後に導入されたグローバル規制の完全な影響を銀行は免れるかもしれない。

  バーゼル銀行監督委員会は、新たな銀行資本規制「バーゼル3」見直しの年内完了に向けて作業を急いでいる。将来の市場の破綻を未然に防止するため、米国が厳格なルールづくりを求めてきたのに対し、日本と欧州は多額のコスト負担で銀行に打撃を与える恐れのある提案の抑制を目指す立場だ。米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)などの当局者で構成するバーゼル銀行監督委のメンバーは、ルール緩和を求める銀行業界からも大きな圧力にさらされている。

  金融規制の撤廃を掲げるトランプ氏の政権掌握は、一連の作業を妨げる新たな障害となりかねない。バーゼル委はリスクアセット計測の標準的手法の修正作業を進めているが、米国での実施がトランプ氏によって妨げられたり、完全に無視されたりすれば、欧州も追随する可能性がある。米欧が好き勝手に行動すれば、金融危機へのグローバルな対応を完成させる最後の仕上げが台無しになる危険がある。

President Obama Meets With President-Elect Donald Trump At The White House

次期米大統領ドナルド・トランプ氏

Photographer: Pete Marovich/Bloomberg

  スコープ・レーティングスの金融機関担当マネジングディレクター、サム・セオドア氏は「トランプ氏が選ばれた今は全てが象徴的度合いを強めると考えている。規制に反対する反動が続くあらゆる要因がそろっている」と語った。

  バーゼル委の基準を各国の規則に反映させるプロセス完了には軽く数年を要するため、トランプ氏や米議会共和党はそこで最大の影響力を行使できる。トランプ次期大統領には、FRBや連邦預金保険公社(FDIC)、通貨監督局(OCC)、他のバーゼル委メンバーの新たな顔触れを指名するチャンスがやがて訪れるだろう。

  調査会社フェデラル・ファイナンシャル・アナリティクスのマネジングパートナー、カレン・ショー・ペトルー氏はトランプ氏について、「財務省の声を通じてだけでなく、OCCとFDICの責任者、金融監督を担当するFRBの副議長に誰を指名するかによって、プロセスに影響を行使することになろう」と指摘した。

原題:Trump May Save Banks Billions by Disrupting Global Rules (1)(抜粋)

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