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邦銀3メガ:7-9月期は5%増益、本業苦戦も特殊要因が底上げ

更新日時
  • マイナス金利政策の影響続く、3グループとも利ざや低下
  • 米のトランプ次期大統領、発言通りに政策実施されるか不透明

三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)など邦銀3メガグループの第2四半期(7-9月)純利益合計は前年同期比5.1%増の7021億円となった。マイナス金利政策による国内融資の収益低迷や円高に伴う海外収益の目減りなどで本業は苦戦したが、特殊要因が下支えした。

  純利益合計はブルームバーグが集計したアナリスト予想の5856億円を上回った。個別では海外事業比重が高いMUFGが6.2%減の3016億円だったが、みずほフィナンシャルグループは税効果もあり0.3%減の2256億円と前年同期並み。昨年は海外で減損があった三井住友フィナンシャルグループは46%増の1749億円となった。

  第2四半期の連結粗利益は合計で5.9%減の2兆2123億円。資金利益は利ざや低下を受け3社とも減少し合計では11%減の1兆279億円となった。銀行や証券子会社での投信販売などの手数料も振るわず役務取引等利益は3.6%減少した。

  一方、金利低下局面で国債売買益などのその他業務利益が15%増加。政策保有株の売却などに伴う株式等関係利益は合計で79%増の1055億円となった。みずほでは海外での証券関連会社清算に伴う税効果も利益を押し上げた。与信関係費用はMUFGが21億円、三井住友Fが442億円のそれぞれ負担、みずほFGが82億円の戻入益となった。

  債券調査会社クレジットサイツのデービッド・マーシャル氏(シンガポール在勤)は、3メガについて「株式や債券など市場利益の依存度が高まっている」と指摘。資金利益や手数料収益が減っていることから「本来あるべき安定した収益構造とはかけ離れている」と分析している。

トランプ米次期政権を注視

  三井住友Fの宮田孝一社長は決算会見で、経営環境は不透明との見方を示した上で、日銀のマイナス金利政策について「ネガティブインパクトは続く」と見通した。みずほFGの佐藤康博社長は「解消には時間がかかる」と述べ、MUFGの平野信行社長も「下期も引き続き下押し要因」になるとみている。

  米次期大統領に決まったトランプ氏が掲げる金融規制見直しや経済政策について、MUFGの平野社長は「選挙中の発言通りに政策が実施されるかは不透明」と指摘。みずほFGの佐藤氏も「すぐに規制緩和になるとは考えにくい」とし、SMFGの宮田氏は「米政権移行チームのメッセージを注意深くみていく」と述べた。

  日本の銀行株はトランプ氏が次期大統領に選ばれると判明した日本時間の9日当日は急落したが、翌日から反発しTOPIX銀行株指数は14日までに約15%上昇。15日も個別ではMUFGが2.6%、三井住友Fが2.2%、みずほFGが0.7%それぞれ高く堅調に推移している。

利ざや低下続く 

  日銀統計によると、都銀の総貸出平残(前年同月比)は10月まで47カ月連続で増加するなど拡大が続いているが、8月の国内銀行の貸出約定平均金利(新規) は0.703%と過去最低水準にある。ドル・円相場は9月末で101円35銭と前年9月末比で18円53銭円の円高となり円ベースの利益減少につながった。

  9月末の国内預貸金利ざやは、MUFG(2行合算)が前年同期比0.07ポイ ント低下の0.79%、三井住友(単体)が0.13ポイント低下の1.08%、みずほ(2行合算)が0.07ポイント低下の0.87%と低迷が続いている。

  純利益の通期目標・予想はMUFGが8500億円(前年同期比11%減)、三井住友は7000億円(8.2%増)、みずほFGが6000億円(11%減)をそれぞれ据え置いた。会社予想に対する4ー9月(上期)までの各社の進捗率はそれぞれ58%、51%、60%となった。

(第8段落に銀行株の動向を追加しました.)
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