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三越伊勢丹:アリババと越境EC、訪日客消費減速で-需要掘り起こし

  • 「天猫国際」で旗艦店、今月下旬までに品ぞろえ300-400点
  • 「一度買って終わりではない」、アフターサービス充実へ-担当者

インバウンド売り上げの減速で今期(2017年3月期)業績見通しの下方修正を余儀なくされた三越伊勢丹ホールディングスは、電子商取引(Eコマース、EC)を通じて中国の需要を掘り起こそうとしている。EC中国最大手のアリババ・グループ・ホールディングと提携し、国内百貨店で初となる中国本土向けEC旗艦店を立ち上げた。

  海外ブランドなどを扱うアリババのサイト「天猫国際」で試験運営を11月上旬に開始し、徐々に認知が広まっていると、三越伊勢丹の情報戦略本部WEB事業企画担当長の古川順教氏がインタビューで語った。月末の本格参入までに品ぞろえは現在の倍の300-400点まで増やす予定だという。訪日中国人に実店舗で人気がある子供服や婦人靴などを取り入れる一方、差別化要素としてアフターサービスを充実させ、オリジナルブランドの商品も積極的に売るという。中国の上海や天津に構える伊勢丹との相乗効果も期待している。

  訪日観光客による消費は、4月の中国の関税強化や円高進行により減速している。観光庁によると7-9月に前年同期比2.9%減となり、前年割れは4年9カ月ぶりだった。三越伊勢丹は10月、通期の営業利益見通しを従来比35%減の240億円へと下方修正した。競合のエイチ・ツー・オーリテイリングや松屋も影響を受けている。三越伊勢丹はいち早く越境ECに乗り出すことで、継続的で安定した売り上げの増加を狙う。

  百貨店のある「銀座、新宿、日本橋でお買い物していただいたお客様と、いかに接点を持ち続けることが越境ECのポイント」で「一度買って終わりではない」と古川氏は話す。一方で、中国の政策上、越境ECでの年間購入に上限額が設けられていることなどから「落ちたインバウンドがそのまま越境ECに変わるわけではない」と語り、販売状況を見ながら将来は限定商品の先行販売なども視野に品ぞろえを拡大していく考えだという。

  同社は国内外のECによる年間収入が17年3月期に150億円になると見込んでおり、19年3月期までには越境ECなどを通じ、2倍以上の350億円を目標にしている。古川氏によると、中国を皮切りに将来はシンガポールやマレーシアなど、アジアのほかの地域へEC進出する可能性があるという。

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