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【インサイト】ゴールドマン、規制順守で出遅れた分むしろ有利に

ウォール街で出遅れ組が得をすることはほとんどない。しかし例外はあるものだ。

  ゴールドマン・サックス・グループのボルカー・ルール順守は、競合他社よりも遅めだった。金融危機の反省からシステムを安全にするために生まれた同規則は、銀行に自己資金での取引を制限した。多くの銀行が自己勘定取引デスクを閉鎖し撤退する中で、ゴールドマンは同事業の一部を温存した。

  9月30日の同社届け出によると、ゴールドマンはプライベートエクイティ(PE、未公開株)ファンドとクレジットファンド、不動産ファンド、ヘッジファンドへの投資が69億ドル(約7400億円)あった。追加投資を約束した18億ドルを合わせると、87億ドルになる。これに対し、モルガン・スタンレーとシティグループではボルカー・ルールの対象となる投資の残高が、それぞれ22億ドルと9億ドルだった。

  連邦準備制度理事会(FRB)が延長した期限に基づき、ゴールドマンはこれらのファンドへの「投資の大半」を来年7月までに圧縮する方針を示していたが、トランプ次期米大統領の政策によっては、その必要はないかもしれない。

  ボルカー・ルールは米金融規制改革法(ドッド・フランク法)の一部だが、トランプ氏の政権移行チームは同法を見直す方針であり、規則が緩和されればこうしたファンドへの投資が認められることになる。その場合ゴールドマンは、PE投資部門を早々と切り離した競合他社より迅速に自己勘定投資を再開できるという恩恵にあずかる。

  トランプ氏の移行チームはドッド・フランク法を廃し「成長と雇用創出を促す政策」を取る方針を明言しており、ゴールドマンに限らずウォール街が詳細を待ち望んでいることに疑いはない。

原題:Goldman’s Slow Volcker Compliance Could Pay Off: Gadfly(抜粋)

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