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【債券週間展望】長期金利上昇か、トランプ政策期待でゼロ%超えも

  • 米次期政権の政策期待でしばらく円安・株高基調が続きそう-岡三証
  • 長期金利の予想レンジはマイナス0.10%~プラス0.01%

今週の債券市場では長期金利の上昇が予想されている。米国のトランプ次期政権による財政拡大観測を背景とした株高・債券安の流れが継続し、日本銀行が誘導目標とするゼロ%を一時的に超えるとの見方が出ている。

President-Elect Donald Trump And Vice President-Elect Mike Pence

トランプ次期大統領とペンス次期副大統領が共和党のマコネル上院院内総務と会談

Pete Marovich/Bloomberg

  ブルームバーグが前週末に市場参加者5人から聞いた新発10年物国債利回りの今週の予想レンジは、全体でマイナス0.10%~プラス0.01%。11日にはマイナス0.025%と1カ月半ぶりの高水準を付けた。

  前週は米国の財政拡大観測を受けた債券への売り圧力が国内の超長期債にも広がり、新発20年債利回りは約1カ月ぶり、新発30年債利回りと新発40年債利回りは9月以来の水準まで上昇した。

トランプ氏勝利を受けた米債相場動向はこちらをご覧下さい。

予想レンジと相場見通し

*T
◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
先物12月物=151円00銭-151円70銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.07%~マイナス0.01%
  「米国のトランプ次期政権に対する政策期待からしばらく円安・株高基調が続きそうだ。財政支出拡大や減税を進めるとの見方から米国の期待インフレ率が急上昇しており、米長期金利はしばらく上昇余地を探りそうだ。欧州も含め主要国の債券相場はしばらく上値の重い展開か。日銀の金融緩和姿勢もすぐには変化はなく、利回り低下は見込みづらいが、日銀の国債買い入れへの安心感が相場を下支えする。利回り上昇も緩やかにとどまる見通し」

◎メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジスト
先物12月物=151円00銭-151円80銭
10年物国債利回り=マイナス0.07%~0%
  「10年債利回りが0%に近づくリスクがあるので、10年債よりはキャリーロールとプラス利回りということで20年債に集中している感じか。次期米政権のねじれ解消で財政拡張に向かいやすいとの見方が生じやすく、金利の上昇方向に違和感はない。サプライズな結果でフラットニングのポジションがアンワインドされ、米国債は売りが売りを呼んでいる面も。どれだけ財政を拡大するかはまだ不透明で、ポジション調整が一巡した後は、金利上昇が落ち着く可能性がある」

◎パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長
先物12月物=150円90銭-151円55銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.05%~プラス0.01%
  「米大統領選が予想外の結果となった先週は、日本国債にしてはエキサイティングな展開だったが、トランプ政権の大きな政府をにらんで世界中が債券売りに転換したのに比べると、ほぼ動いていないに等しい。日本の7-9月期の国内総生産(GDP)や、20年債入札で現在の金利水準で需要がどれだけあるかも注目。米小売売上高が強ければ10-12月期の米GDPも堅調になるとの見方から12月の利上げ観測も高まりやすい。円安になれば日本国債にも多少の売り圧力にはなる」

◎アムンディ・ジャパンの浜崎優市場経済調査部長
先物12月物=151円10銭-151円60銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.06%~マイナス0.01%
  「トランプ次期政権の政策期待で米長期金利が上昇し、国内金利も連れ高する流れがしばらく続くのではないか。9月の日銀決定会合後に一時プラスを付けた水準が、当面の金利の上限になるとみている。もっとも、トランプ政権が始動するわけではなく、市場の関心がファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)に市場の目が移りそう。米経済は底堅いとみられ、12月利上げの方向も変わらないとみている」

◎マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長
先物12月物=151円00銭-151円95銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.10%~マイナス0.01%
  「円債は米債に振らされており、基本的には米金利の落ち着きどころを探っている。ここまでの米金利の上昇はちょっとやり過ぎの感がある。相場的には米債市場は揺り戻しで、金利が低下するとみられる。そうなれば、円債にサポートとなりそう。大統領選以後にトランプ氏の失言はないが、これが出た場合に金利低下を促すリスクもあり気を付けたい。20年債入札については現行水準では好需給にあり、無難に通過するとみている」
*T

今週の主なイベント

15日5年利付国債入札発行額は2兆4000億円程度
17日20年利付国債入札発行額は1兆1000億円程度
新発10年債利回りの推移
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