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11月11日の海外株式・債券・為替・商品市場

更新日時

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル上昇、トランプ旋風で-アジアの中銀が介入

  11日のニューヨーク外国為替市場ではドル指数が週間ベースで2011年以来の大幅高となった。トランプ次期米大統領の政策が新興国からの資本流出を引き起こすとの警戒から新興国通貨は大きく下げ、インドからインドネシアに至る各国の中央銀行は自国通貨の安定を目指し介入に踏み切った。

  この日の対ドル相場ではインドネシア・ルピアと韓国ウォンの下げが目立った。トランプ氏の政策で新興国の輸出が弱くなるとの観測が広がった。トランプ氏はより保護主義的な貿易政策を導入するとこれまでに示唆しているほか、財政出動を行う考えも示しており、米利上げペースの加速につながる可能性もある。

  ウエストパック銀行の金融市場戦略責任者、ロバート・レニー氏(シドニー在勤)は「アジア通貨が大量に売られている」と指摘。「トランプ氏に起因するリスク回避の正確なバロメーターはS&P500種株価指数ではなく、アジア通貨であることを非常に強く示している」と述べた。

  ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.2%上昇。週間では約2.8%値上がりし、11年9月以来の大幅高。

  ドルは対ユーロで前日比0.4%高の1ユーロ=1.0855ドル。対円では0.2%安の1ドル=106円65銭。

  ブルームバーグがまとめた現地銀行による価格によれば、インドネシア・ルピアは対ドルで5カ月ぶりの安値に達した。新興国通貨は3日間としては2011年以来の大幅安、インド・ルピーは過去4カ月余りで最大の下げとなった。

  ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの通貨戦略グローバル責任者、マーク・チャンドラー氏は「『底値争い』あるいは『通貨戦争』といった誰もが通貨安を望む状況とは反対に、アジアの複数の中銀は下落ペースを緩めるためにドルを売って、自国通貨を購入したと考えられている」とリポートで指摘した。

  トランプ氏は経済成長とインフレの促進に向け減税のほか、インフラ支出を拡大し、米金融当局が利上げを余儀なくされるとの見方が強まっている。フェデラルファンド(FF)金利先物市場が織り込む12月の0.25ポイントの利上げ確率は84%となっている。

  トランプ氏が選出されて以降、米10年債利回りは1月以来初めて2%を上回った。予想される支出で成長が促進され、インフレが加速するとの観測が背景にある。
原題:Dollar’s Trump-Inspired Surge Sets Off Intervention Across Asia(抜粋)

◎米国株:S&P500上げ一服、選挙勝ち組探しで小型株急伸

  11日の米国株市場は不安定な取引となるなか、ダウ工業株30種平均が前日に続いて最高値を更新し、週間ベースでは5年ぶりの大幅上昇となった。トランプ次期米大統領の政策が景気や金利にどう影響するかが注目されている。

  S&P500種株価指数は0.1%下げて2164.45。ダウ平均は39.78ドル(0.2%)上げて18847.66ドル。ラッセル2000指数は2.5%の大幅上昇となった。

  アドバイザーズ・アセット・マネジメントの最高投資ストラテジスト、マット・ロイド氏は「この日は単に週末を控えた利益確定が見られた。当然の動きだろう」と述べ、「選挙直後の短いショックを経て好調な上げが続いたので、投資家はやや手控えている」と続けた。

  市場では金融政策や金利軌道にトランプ政権がどう影響するかにも注目している。米政策金利が12月に引き上げられる確率は84%として市場に織り込まれており、1週間前の78%から上昇した。

  金利変動に敏感な銘柄は打撃を受けている。公益事業株や不動産投資信託銘柄、生活必需品は週間ベースで下げた。こうした高配当銘柄は、債券利回りが過去最低水準にある環境で選好される。

  小型株は6日続伸した。トランプ次期政権の国内重視姿勢は国内志向の高い小型株指数を支援するとの見方がある。また規制緩和が金融株や保険株に及ぼす期待も大きい。ラッセル2000ではS&P500種以上に金融と保険が大きなウエートを占める。

  決算発表シーズンも終わりが近づきつつあり、これまで決算を発表したS&P500種採用企業のうち、利益が予想を上回ったのは約76%。売上高が予想を上回ったのは56%だった。S&P500種企業全体では2.5%増益が予想されている。月初の時点では1.6%の減益が予想されていた。

  ミラー・タバクの株式ストラテジスト、マット・メイリー氏は「現実を直視する必要がある。トランプ次期政権の政策内容や閣僚の顔ぶれが明らかになるのはこれからだ」と述べ、「市場参加者は一息入れて、今週の出来事を消化してから週末を迎えたいと考えている」と続けた。
原題:S&P 500 Halts Rally, Small Caps Surge as Election Winners Sought(抜粋)

◎米国債:ベテランズデーの祝日で休場

  取引は14日に再開される。

◎NY金:続落、トランプ次期米政権下での金融政策に注目

  11日のニューヨーク金先物相場は続落。トランプ次期米政権発足後の米金融政策と金利軌道の行方に市場は注目している。12月利上げの確率は84%と、1週間前の76%から上昇し、これが金の重しになった。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は前日比3.3%安の1オンス=1224.30ドル。

  銀先物12月限は7.2%安の17.382ドルと、1月以来の大幅下落となった。
原題:Metal Markets Swing as Waning Trump Euphoria Stalls Copper Rally(抜粋)

◎NY原油:続落、8週ぶり安値-OPEC合意の行方を悲観

  11日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が大幅続落し、ほぼ2カ月ぶり安値。サウジアラビアの産油量が過去最高に近いことに加え、イランとイラクも増産したことが明らかになり、石油輸出国機構(OPEC)は増産合意の詳細をまとめられないとの悲観が広がった。

  エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は「きょうの原油価格の下落はOPECが自ら招いたものだ」と話す。「加盟国が相次いで大幅増産を明らかにしている事実は、アルジェ合意の実現は不可能だということなのかもしれない」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物12月限は前日比1.25ドル(2.80%)安い1バレル=43.41ドルで終了。終値ベースで9月19日以来の安値。週間では1.5%下げた。ロンドンICEの北海ブレント1月限は1.09ドル(2.4%)下げて44.75ドル。
原題:Oil Falls to Eight-Week Low as OPEC Output Gain Threatens Accord(抜粋)

◎欧州株:下落、トランプ氏当選後の市場の勝者と敗者が交代

  11日の欧州株式相場は下落。ドナルド・トランプ氏の米大統領選勝利直後に市場でそれぞれ勝者と敗者となった銘柄がその立場を入れ替える展開となった。

  トランプ氏勝利で上げていた銘柄が買われ過ぎとの判断から売られた。インフラ投資が膨らむとの期待から建設株や資源株、規制が緩和されるとの見方から製薬株と銀行株がこれまで上げていた。その一方で、債券の代替投資先とされる公益事業株や不動産株が3日ぶりに値上がり。

  指標のストックス欧州600指数は前日比0.4%安の337.50で終了。寄り付き時には0.7%上げていたが下げに転じ、2日続落。週間では上げ幅を削ったものの、7月以来の大きな上げを記録した。

  ノルデア・インベストメント・ファンズ(ルクセンブルク)のマクロストラテジスト、ウィトルド・バーク氏は、市場には一服感があると指摘。トランプ氏勝利の「全般的な影響について考え始めている」とし、トランプ氏の政策は「経済成長と株式市場に追い風と言えるが、具体的な中身に大きく左右される。期待から実行の局面へと移りつつある」と語った。

  銀行株指数は0.2%下落。インフレ加速で収益率が改善し、金融規制が緩和されるとの見方から、前日までの4営業日で7.8%上げていた。

  個別銘柄では、産金会社ランドゴールド・リソーシズと銀採掘会社フレスニーヨが大きく下げた。英豪系ロイヤル・ダッチ・シェルと英BPを中心に石油株も安い。オランダの郵便サービス、ポストNLは5.1%下げた。ベルギーの同業Bポストからの買収提案を拒否した。
原題:Trump-Trade Reversal Sees European Stocks Losing More Ground(抜粋)

◎欧州債:イタリア債下落-トランプ氏勝利で国民投票に懸念

  11日の欧州債市場ではイタリアを中心にユーロ参加国の国債が売りを浴び、同国10年債利回りは2015年9月以降で初めて2%を超えた。

  次期米大統領に選ばれたドナルド・トランプ氏の掲げる政策が歳出を拡大させ、インフレ加速を引き起こすとみられていることを背景に、世界的な債券安の様相となっている。米国で巻き上がった反体制旋風がイタリアに向かい、レンツィ首相の進退がかかる政治改革法案が12月の国民投票で否決されれば、政治が不安定化する可能性がある。最近の世論調査は同法案が否決されることを示唆している。

  DZバンク(フランクフルト)の市場ストラテジスト、ダニエル・レンツ氏は債券安について「大型の財政拡大と成長率上昇をめぐる臆測が駆け巡っている」ためだと指摘した。

  ロンドン時間午後4時31分現在、イタリア10年債利回りは前日比14ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.03%。一時は2.06%に達した。週間ベースでは3週連続の利回り上昇。先月21日以降では63bp上昇した。同国債(表面利率1.25%、2026年12月償還)価格はこの日、1.165下げ93.02。

  欧州債の指標とされるドイツ10年債利回りは前日比3bp上昇し0.31%。一時は0.35%まで上げた。同年限のスペイン国債利回りは10bp上げ1.49%。
原題:Italy’s Bonds Tumble as Trump Win Boosts Referendum Concern(抜粋)

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