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【日本株週間展望】続伸、金利上昇と円安-トランプ氏発言、人事注視

  • 米10年債利回りは10カ月ぶり高水準、米新政権の財政出動観測
  • 累積売買代金の少ないゾーン、上値軽い局面とチャーチスト

11月3週(14ー18日)の日本株は続伸する見通し。米国の次期大統領に決まったトランプ氏の財政出動政策を見込み、米長期金利が上昇、為替はドル高・円安基調を強めており、収益改善期待から自動車や電機など輸出株、利ざや拡大期待の銀行や保険など金融株中心に買いが続きそうだ。

  8日に投開票された注目の米大統領選は事前予想に反し、共和党のドナルド・トランプ氏が激戦を制した。同氏が打ち出すインフラ投資拡大など積極的な景気刺激策への思惑から、米長期金利は10カ月ぶりの高水準となる2.1%台に跳ね上がり、向こう10年間のインフレ期待を示す10年ブレークイーブン・レートは10日、1.85ポイントに上昇した。野村証券の尾畑秀一マーケットエコノミストは、「1980年代半ばから続いた世界的な低金利トレンドの大転換を示唆しているのか、ということが今後大きなテーマになる」とみる。

President Obama Meets With President-Elect Donald Trump At The White House

ホワイトハウス訪問のトランプ次期米大統領

Photographer: Pete Marovich/Bloomberg

  米金利の上昇を受け、為替市場ではドル・円が3カ月半ぶりのドル高・円安水準に振れており、日本株市場では輸出セクターを中心に企業業績の先行き期待が出やすくなっている。日経平均は11日の取引で一時4月以来の1万7500円を回復。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の宮田直彦チーフテクニカルアナリストは、累積売買代金の少ないゾーンに入り、「2015年6月高値から16年6月安値までの下落に対する50%-61.8%戻り(1万7908円-1万8626円)までスムーズに上昇する可能性がある」と言う。

  第3週は、トランプ氏の言動や組閣人事をめぐる報道に注目度が高まりそうだ。米ケーブルテレビのCNBCは10日、政権移行チームが財務長官候補に米銀JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)を検討している、と報じた。このほか、米国の12月利上げの可能性を探る上で、15日のフィッシャー連邦準備制度理事会(FRB)副議長をはじめ、ボストン、セントルイス両連銀総裁の講演も材料視される可能性が高い。経済統計の発表予定は、国内で14日に7ー9月期の国内総生産(GDP)発表がある。ブルームバーグがまとめた事前予想は、前期比年率0.8%増と3四半期連続のプラス成長。

  第2週の日経平均株価は、前の週末に比べ2.8%高の1万7374円79銭と反発。米大統領選の開票速報に一喜一憂した9日は919円安と急落したが、米国株に対する不安が後退した翌10日は一転1092円高と急騰する荒い値動きだった。

  • 【市場関係者の見方】

コモンズ投信の糸島孝俊チーフポートフォリオマネジャー
  「トランプ氏の大統領選勝利に伴う『ハネムーン相場』は終わった。新政権の政策が実際に決まっていくのは来年1月から2月。実現性や時間軸などに関する冷静な分析が出始めると、もう少し落ち着いた相場になる。1ドル=107円、日経平均1万7500円は重要な節で、これを固める展開を予想。マーケットが求めるインフラ投資の拡大について、講演する米連銀のハト派幹部がどうみているか、注目している。来年の利上げ回数を読むヒントにもなり、為替に反映される」

しんきんアセットマネジメント投信の鈴木和仁シニアストラテジスト
  「高値でのもみ合いを予想。トランプ氏の評価が固まっておらず、大きく振れやすい。金融業界にフレンドリーな財務長官が内定すれば、米ダウ工業株30種平均は新高値を更新し、日本株も跳ねやすいとみるが、過激な発言が復活すれば、トランプリスクの再燃で大きく値下がりする可能性がある。日経平均の想定レンジは、予想PERで約14倍の1万6800円から15倍の1万7800円」

アセットマネジメントOneの柏原延行運用本部調査グループ長
  「じり高になろう。トランプ氏は政治経験がない分、大きな変革ができそう。上下院のねじれが解消したメリットもある。1ドル=100円割れを試すかと予想されていた為替は、104-108円のレンジに変わった。トランプ氏の政策による金利上昇や米景気拡大、米企業資金のレパトリエーション(本国への資金還流)から、方向性はドル高・円安。中国景気は予想以上に強く、来年半ばまで強含みで推移しよう。日本の景気も底打ち感があり、株価は下に突っ込みにくい。日経平均の予想レンジは1万7250-1万7750円」

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