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中東地域:予見不可能な将来を推測-トランプ氏勝利の衝撃後

  • 米国とプーチン大統領率いるロシアとの接近で政治力学が変化か
  • トランプ氏はイランとの核開発問題に関する合意破棄の恐れ

世界が予想外の事態と向き合う中、中東地域は予見不可能な状況に備えている。

  米大統領選挙でのドナルド・トランプ氏の勝利を受け、戦闘と石油収入減少に苦しむ中東地域のトラブルが減るのか増えるのかについて見方が分かれている。イスラム教徒の米国への入国を禁止するという同氏の発言は、アラブ世界、特にサウジアラビアやヨルダンなど長年にわたる米国の同盟国に波紋を広げている。また、同氏はイランとの核開発問題に関する合意について「不名誉」と述べている。

  米国務省の元アドバイザーで、ウィルソン・センターのニュー・イニシアチブズ担当バイスプレジデント、アーロン・デービッド・ミラー氏は、トランプ氏の外交政策について「未知の分野」と指摘。「トランプ氏については不安定な要因があり、同盟国の多くを非常に神経質にさせる一連の未知の要素がある」と述べた。

  一部では、トランプ氏がイランとの核開発問題に関する合意を撤廃すれば、同国の強硬派の動きを助長する可能性があるとの見方がある。また、同氏がシリア内戦をめぐりロシアに対する融和姿勢を崩さず、米国とペルシャ湾岸の同盟国との距離がさらに広がれば、シリアのアサド大統領を勢いづかせる可能性がある。一方で、ロシアのプーチン大統領をトランプ氏が高く評価している点は対立の緩和を意味し、同氏は助言を求めるとみられるため政治経験のなさはプラスに働くとの見方もある。

  政治リスク助言会社ジオエコノミカ(ヨルダン)のディレクター、リアド・クーリ氏は「トランプ氏のロシアに対する建設的な態度は、地政学的安定全般、特に中東地域にとって歓迎すべき新要素だ」と指摘した。
  
原題:Middle East Tries to Divine the Unknowable After Trump’s Shock(抜粋)

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