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ドル・円が反落、インフレ期待も新興国への影響懸念で-106円台

更新日時
  • 朝方に付けた106円93銭から106円25銭まで下げる場面も
  • ドル・円、期待が先行している面が強過ぎる-あおぞら銀

11日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が7月以来の高値付近から小幅反落した。トランプ次期大統領によるリフレ政策を期待した背景した米金利上昇・ドル高の流れが一服。新興国市場への悪影響も警戒された。

  午後4時33分現在のドル・円相場は前日比0.3%安の106円50銭。朝方に付けた106円93銭から一時106円25銭まで下げた後は、106円台半ばを挟んでもみ合う展開となった。前日の海外市場では一時106円95銭と7月21日以来の水準までドル高が進み、1月以来初めて200日移動平均線を上回った。同線は11日時点で106円56銭を通る。

  あおぞら銀行市場商品部部長の諸我晃氏は、トランプ氏の政策期待により米金利が上昇し、株も上がっている状態でドル・円は上がりやすいが、「期待が先行している面が強過ぎる」と指摘。「しかも一本調子で2日間の上げ幅も大きいため、時間的な調整になるのではないか」と言い、7月高値の107円半ばは「かなり重いところになってくるだろう」と語った。
  

ドル・円相場の推移

  米10年債利回りは過去2日間で30ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し、10日に2.15%と1月以来の高水準を付けた。トランプ次期大統領が景気てこ入れに向けて歳出を増やし、財政赤字の拡大とインフレ高進につながるとの見方が広がっていることが背景。米金利の上昇に伴い、ブルームバーグのドルスポット指数は3月以来の高水準に達した。

  上田ハーロー外貨保証金事業部の小野直人氏は、昨年12月の米長期金利水準が2.3%台だったことを鑑みれば、金利はまだ上昇の余地がありそうで、ドル・円も「さらにもう一段上値を広げる期待は持てる」と指摘。もっとも、今日に関しては米債市場が祝日のため休場で、米金利の後押しが得られない状況の中、「ドル・円が単独で上値を伸ばすのは難しいかもしれない」と予想していた。

  11日の東京株式相場は続伸し、日経平均株価は4月以来の1万7600円台を一時回復した。ただ、前日に9カ月ぶり上昇率を記録した後で、朝高後は上げ幅を縮小する展開となった。10日の米国株式市場ではダウ工業株30種平均が3カ月ぶりに過去最高値を更新した。

  麻生太郎財務相は11日の閣議後会見で、米大統領選でのトランプ氏勝利で為替が乱高下したことを受け、「1日、2日で5円も動くのは異常だ」と述べた上で、為替相場の動向を緊張感を持って注視する考えをあらためて強調した。

  11日の新興国市場の株と通貨は下落。トランプ大統領の誕生で資本流出や輸出低迷に見舞われるとの懸念が広がっている。インドネシア中銀は同日、ルピア相場安定のため市場介入していることを明らかにした。市場関係者によると、インド・ルピーが7週間ぶり安値を付けたことを受け、インド中銀もドル売り介入を行った。

  クレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司外国為替部長は、ドル高が新興国にとって懸念材料として浮上してきているとし、「株価への悪影響も懸念されるため、対円はともかく、他通貨に対して金利と為替の相関が崩れるのは時間の問題となるだろう」と指摘。ドル・円は日銀のイールドカーブコントロールもあり、金利差が絶対的にあることから、「他国よりは金利差との相関が強いとは思うが、リスクオフになれば時間差で相関係数は下がるだろう」と語った。

  ユーロ・ドル相場は前日の海外市場で一時1ユーロ=1.0865ドルまで下落し、10月25日に付けた3月以来の安値(1.0851ドル)に接近。11日の取引では午後にかけて1.09ドル台前半まで値を戻した。

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