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トランプ氏勝利はアジア経済の敗北か-貿易から安全保障まで懸念拡大

  • 米国の対アジア関係における抜本的変化はネガティブ-モルガンS
  • メキシコに次いでリスクに最もさられるのはアジア-野村の調査

中国経済が安定しつつあるように見えるまさにその時、ドナルド・トランプ氏が米国の次期大統領に選出され、大きなリスクが新たに浮上している。中国のみならずアジア全体の経済成長にとってのリスクだ。

  トランプ氏は選挙活動で政策の中心に保護主義を掲げてきた。米国に次ぐ世界2位の経済大国である中国からの輸入品に懲罰的関税を課し、同国を為替相場操作国に認定する方針を示している。

  こうした動きは中国の輸出を損ねることになる。中国政府が報復措置を取れば、貿易戦争が勃発し、他のアジア諸国・地域も巻き込まれかねない。日米などが参加する環太平洋連携協定(TPP)は発効しない公算が大きく、貿易鈍化や不透明感の高まりは投資減少や景気減速を意味する。人々の移動に対する管理や資本が米国に戻るリスク、安全保障をめぐる懸念もある。

  モルガン・スタンレーのエコノミストはリポートで、米国のアジアとの貿易・安全保障関係における「根底からの変化は恐らくネガティブ」だと指摘する。

America's Biggest Trading Partners

  貿易障壁での中国狙い撃ちは、輸出減少に伴う成長への打撃受け入れ、もしくは同種の対抗策を講じるという中国当局にとっては不愉快な選択肢につながる可能性があると分析するのはゴールドマン・サックスだ。同社のエコノミストはリポートで、人民元の下落が資本流出加速を引き起こし、中国の外貨準備高を圧迫する恐れがあるとしている。

  野村ホールディングスが7月に実施した投資家調査は、トランプ政権の下での懸念事項を列挙している。保護貿易台頭の可能性に加え、米国がアジアに対する軍事コミットメントを減らせば、地域の安全保障が脅かされる恐れがあることにも言及。そして、メキシコに次いでリスクに最もさられるのはアジアだとはっきりと結論付けている。

Which Region Would be Most Affected Under Trump?

原題:Trump’s Win Is Asia’s Economic Loss If Trade Barriers Rise(抜粋)

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