トランプ次期米大統領にとって、公約に掲げた税制改正や医療制度改革は極めて骨の折れる仕事となるため、最初は金融業界に力を注ぐ可能性の方が高い。2010年に成立した金融規制改革法(ドッド・フランク法)の核心部分の撤廃を目指す可能性があるとウォール街のベテランアナリスト、クリストファー・ウェーレン氏が分析した。

  クロール・ボンド・レーティング・エージェンシーで調査を統括するウェーレン氏は9日の顧客向けリポートで、トランプ氏の側近グループに近い匿名の関係者からの情報を引用し、米下院金融委員会のヘンサーリング委員長が今年提出した法案の修正に動くことがあり得ると指摘した。

  ヘンサーリング委員長が提出した「チョイス法案」は、預金受け入れ銀行の自己勘定取引を制限する「ボルカー・ルール」の廃止のほか、経営の悪化した金融機関を分割する政府権限の撤廃や消費者金融保護局(CFPB)の管轄縮小を目指す内容。

  ウェーレン氏は「修正法案を上院が受け入れ可能な形に調整することは可能であり、民主党の反対にもかかわらず、法制化は税制改正や医療保険改革法 (オバマケア)の見直しよりもはるかに容易ではないかと推測する。言うまでもなく、金融サービス業界は大いにこれを支持するだろう」との見方を示した。
  
  トランプ陣営の代表者らにコメントを求めるメッセージを送ったが、今のところ返事はない。

原題:Trump May Ax Volcker Rule, Ease Banks’ Burden First, Whalen Says(抜粋)

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