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米英で成功したポピュリスト、欧州で狙う次のドミノ効果の標的

  • 投票控えるのはイタリア、オーストリア、フランス、オランダ、ドイツ
  • 年内は12月4日にイタリア国民投票とオーストリア大統領選

英国と米国での成功後、ポピュリスト(大衆迎合主義者)がドミノ効果で狙いを定めるのは次の5カ国だ。

  向こう1年弱に投票を控えているのはイタリアとオーストリア、オランダ、フランス、そしてドイツ。格差拡大や移民対応をめぐり噴出する既成の政治や産業界への怒りが投票に影響する公算は大きく、その結果を予想するのは一段と難しくなっている。

  「過激で民族主義的な候補への支持を世論調査では読み切れないという現実を、今われわれは学び始めていると思う」と、ノムラ・インターナショナルのシニア・インデペンデント・クライアント・アドバイザーのボブ・ジャンジュア氏はブルームバーグTVに対し話した。

  ポピュリストはまず、英国が6月23日に実施した欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票で離脱派を勝利に導き、既成勢力の壁を打ち破った。そして米大統領選でドナルド・トランプ氏を当選させた。英国のEU離脱を主張した英独立党のナイジェル・ファラージ党首代行は電話インタビューで、「革命は続いている」とし、「2016年は二つの大どんでん返しが起きた。大企業、巨大銀行、既成政治の癒着は終わりを迎えつつあると確信する」と語った。

  以下は、向こう10カ月に要注意の5カ国の予定だ。

イタリア国民投票

  イタリアでは12月4日、政治改革を図るレンツィ首相が憲法改正の是非を問う国民投票を実施する。同首相は否決なら辞任すると公約しており、そのような事態になれば反体制派政党「五つ星運動」に追い風となるほか、来年に早期選挙の可能性が浮上する。同党はイタリアのユーロ参加継続をめぐる国民投票の実施を求めている。

オーストリア大統領選

  同じく12月4日。オーストリアで大統領選がある。同国でもドイツ同様に政治の実権は首相が握るが、それでも大統領選が注目されるのは西欧で第2次世界大戦以後初めて極右政党の候補者が当選する可能性があるためだ。5月の選挙では、緑の党のアレクサンダー・ファン・デア・ベレン氏が反移民を掲げる極右の自由党のノルベルト・ホーファー候補を約3万票の差で破ったが、この結果は憲法裁判所の判断で無効となり、やり直しとなった。世論調査によると、接戦の見通しだ。

オランダ総選挙

  欧州では17年に総選挙が相次ぐが、その先陣となるのは3月15日実施のオランダ。同国では複数の政党が連立を組むことが常態化し、選挙では約13の政党が争う見込み。一部の世論調査によれば、反イスラムを掲げる自由党のヘルト・ウィルダーズ党首がルッテ首相率いる自由民主国民党(VVD)と互角。同党首はオランダがEU離脱で英国に倣うことを願っている。

フランス大統領選

  フランスの大統領選は5月7日に第2回投票が行われる。現職のオランド大統領は同国史上、支持率が最低で、ライバルのサルコジ前大統領も人気がない中、反移民の極右政党・国民戦線のマリーヌ・ルペン党首にはチャンスがある。同党首はフランスの主要政党党首でトランプ氏を支持していた唯一の人物。

ドイツ総選挙

  ドイツでは憲法上の縛りなどで独裁は許されないとされるが、17年秋の総選挙で戦後の常識がまだ正しいかが示される。反移民の政党「ドイツのための選択肢」のフラウケ・ペトリー代表はトランプ氏の勝利からドイツは学ぶべきだと主張。「ドイツ人も勇気を出して投票所で歴史を作るべきだ」と述べる。メルケル首相は再選を目指すか明らかにしていないが、米国での予想外の結果を受けて4期目を考える方向に傾くかもしれない。

原題:After Brexit and Trump, Populists Target Next Dominoes in Europe(抜粋)

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