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実業家トランプ氏、大統領職との利益相反に直面-債務や自己取引で

  • トランプ氏関連企業のプロジェクトを外国首脳が優遇する可能性も
  • 事業を子息に経営させるが、厳密な白紙委任とはならない恐れ

実業家ドナルド・トランプ氏は間もなく、米大統領としての自分と真正面から衝突することになりそうだ。

  8日夜に予想外の勝利を収めたトランプ氏は今後、歴代大統領の中で最大級となり得る利益相反の問題に直面する。資産家のトランプ氏がこの地雷をどう避けていけるかで、国内外に広範囲な影響が及ぶ可能性がある。

  トランプ氏はワシントンで新設したホテルの経営に当たり連邦政府に賃料を支払っている。同氏の国際的なビジネス取引は国政に影響する可能性がある。また同氏のメーンバンクであるドイツ銀行は現在、米司法省との間でモーゲージ証券ビジネスをめぐる問題決着に向けて交渉中だ。

Republican Presidential Nominee Donald Trump Hosts Election Night Party

トランプ次期大統領

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

  同氏の30億ドル(約3200億円)相当に上る純資産の大部分は米国内の不動産だが、トルコや韓国、インド、ウルグアイ、ブラジル、フィリピンのプロジェクトでのライセンス契約やマネジメント契約もある。アイルランドやスコットランドにはゴルフ場を所有しており、アラブ首相国連邦(UAE)でもさらに2カ所の計画がある。

  外国首脳はトランプ氏に関係する開発業者のプロジェクトへの許可や優遇を通じて、次期大統領のご機嫌を取ろうとすることも見込まれる。同氏には米国の裁判制度との絡みもある。同氏が以前に経営していた不動産スクール「トランプ大学」を相手取った訴訟にも直面している。

  億万長者で初の米大統領に就任するトランプ氏が、これらの投資や他の利益相反問題にどう対応していくのか、世間は厳しい監視の目を向けるだろう。同氏に不動産会社トランプ・オーガナイゼーションと距離を置くよう義務付ける法律はない。同氏は引き続き資産公開を求められるだろうが、大統領は1978年成立の政府倫理法の適用を大部分免除されている。

  法律事務所コビントン・アンド・バーリング幹部のロバート・ケルナー氏は「憲法に規定されたルール以外で、トランプ氏による自己取引への関与を法的に規制するものは実際に思いつかない」と述べた。

  トランプ氏は公職に就くに当たって事業の経営を子息らに白紙委任するブラインド・トラスト方式を採用する考えを表明しているが、1月の討論では厳密な実施とはならない可能性を認めた。同氏は「子供たちは私の幹部とともに経営することになるだろう。私は国のことだけ気に掛けていくため、事業に関係することは決してない」と語っている。  

原題:Trump vs. Trump Showdown Looms as Debt and Deals Pose Conflict(抜粋)

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