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米国債:急落、30年債利回りは40年ぶり大幅上昇-トランプ氏勝利で

更新日時

米国債相場は急落。30年債利回りは少なくとも1977年以降で最大の上げとなった。トランプ政権と共和党主導の議会が、景気てこ入れに向けて歳出を拡大し、インフレをあおるとの見方が広がっている。

  現在の利回り水準に調整されたベースでは、1日の上昇幅はブルームバーグのデータでさかのぼれる1977年2月以降で最大。10年債利回りは1月以降で初めて2%を超えた。またインフレ期待を示す債券市場の指標は2015年7月以来の高水準に上昇。期間が長めの債券のパフォーマンスが短め債券を下回り、イールドカーブはスティープ化した。

U.S. Yield Curve Steepens

  TIAAインベストメント・マネジメントのチーフ投資ストラテジスト、ブライアン・ニック氏は「思い出せる限りで最大の政治的サプライズに対する1日の反応だ」とし、「債券市場はインフレ期待の上昇の影響を受けている。インフレ期待は極めて低い水準から上がってきた。来年の財政政策はより拡大的なものになるとの観測が背景にある」と続けた。

  ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在の10年債利回りは前日比20ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.06%。同年債(表面利率1.5%、2026年8月償還)価格は1 3/4下げて95 3/32。

  30年債利回りは23bp上げて2.85%。

Longer-Dated Treasuries Slide

  2年債と30年債の利回り差は19bp拡大して195bpと、終値ベースでは2月4日以降で最大。

  期間が長めの国債は、新たな供給も重しとなった。この日実施された10年債入札(発行額230億ドル)では、投資家の需要が2009年以来の低水準。10日には30年債入札(同150億ドル)が実施される。

  向こう10年間のインフレ期待を示す10年ブレークイーブンレートは1.85ポイントに上昇した。

  市場では、民主党候補ヒラリー・クリントン氏が勝利すればこれまでの政策がある程度継承されるとみられていた一方、トランプ氏に関しては未知の部分が多い。不動産王の同氏は、貿易協定破棄の方針を示しているほか、ドル高で米国の競争力が削(そ)がれていると指摘している。

  リアリティー番組の元スターでもあるトランプ氏は、米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長や議会指導者の批判もしている。先物市場に織り込まれる12月の利上げ確率は、トランプ氏勝利の公算が大きくなる中でいったん低下したが、その後は回復した。  

Reactions To The Results Of The U.S. Presidential Elections

トランプ氏勝利を伝える英夕刊紙

Photographer: Chris Ratcliffe/Bloomberg

  プルデンシャル・ファイナンシャル債券部門の最高投資ストラテジスト、ロバート・ティップ氏は「市場は混乱している。貿易戦争への懸念が米国債価格に表れつつある」と指摘。「市場は不確実要素を好まない。市場に不安が広がれば、12月の利上げは脇に押しやられる可能性がある」と続けた。

  24時間取引される米翌日物指数スワップに基づけば、12月の利上げ確率は一時大きく低下して50%を割り込んだが、その後86%に回復した。

原題:Treasuries Plunge Most in Four Decades as Trump Spurs Selloff(抜粋)

(リードなど書き換え、第6段落以降を追加し更新します.)
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