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債券大幅安、大統領選後の米債急落警戒-30年入札後も上値重いとの声

更新日時
  • 新発10年債利回り一時マイナス0.035%、9月21日以来の高水準
  • 米金利が一段上昇なら長期金利マイナス0.02%視野-三菱UFJ信託

債券相場は下落。大統領選挙の結果を受けた前日の米国市場で債券が急落し、株価が急反発した流れを引き継ぎ、売り圧力が掛かった。この日実施の30年債入札結果は市場予想通りだったが、上値の重い展開が続いた。

  10日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の344回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値から3.5ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.045%で取引を開始。午後には一時マイナス0.035%と9月21日以来の高水準を付けた。新発20年物の158回債利回りは4.5bp高い0.395%と10月28日以来の水準まで売られ、新発30年物52回債利回りは5bp高の0.525%と10月11日以来の水準まで上昇した。

  長期国債先物市場で中心限月12月物は前日比37銭安の151円58銭で取引を開始し、一時は151円37銭と9月21日以来の安値を付けた。結局は40銭安の151円55銭で終えた。

長国先物の日中取引推移

  三菱UFJ信託銀行資金為替部商品課の鈴木秀雄課長は、「想定外に米金利が上昇したこともあり、債券は売りが先行した」と指摘。その上で、「昨日の急落でポジション調整が一巡したとみられる米金利の動向が鍵になる」とし、「一段と上昇するようであれば、10年債利回りがマイナス0.02%程度まで上昇して、日銀のコントロールにおける目標水準に近づくこともあるだろう」とみる。

Traders Watch Market Reaction After U.S. Presidential Election

トランプ氏の勝利宣言スピーチをテレビ中継で眺めるトレーダー

Photographer: Chris Ratcliffe/Bloomberg

  米国で8日に投開票が行われた大統領選は、共和党候補のドナルド・トランプ氏が勝利を収めた。共和党は同時に行われた連邦議会選挙でも上下両院で優勢を維持し、民主党のオバマ政権下でのねじれ現象が解消される格好となった。

  9日の米国債相場は急落。トランプ政権が財政拡張的な政策を取るとの観測が広がった。10年債利回りは前日比21bp上昇の2.06%程度となった。一方、米株式相場はトランプ次期米大統領が企業に有利な政策を進めるとの観測を背景に、銀行や重機関連銘柄を主導に上昇。ダウ工業株30種平均は同1.4%高で引けた。

  この日の東京株式相場は大幅反発。日経平均株価は前日比6.7%高の1万7344円42銭で引けた。一時1100円を超す上げ幅となる場面もあった。

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「急激にリスクオンに転じたが、今後は保護主義的な政策が示される可能性も残り、不透明感は根強い」と指摘。「トランプ氏勝利の『ご祝儀相場』は収束に近い」と述べた。

30年債入札

  財務省がこの日に実施した表面利率0.5%の30年利付国債(52回債)の入札結果によると、最低落札価格は99円50銭と市場予想中央値と同じだった。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は3.50倍と前回の3.64倍から低下。小さければ好調を示すテール(最低と平均落札価格の差)は19銭と、前回の13銭から拡大した。

  三菱UFJ信託の鈴木氏は、30年債入札について、「金利が上昇したことや最終投資家の需要が期待できる年限ということもあり、無難な結果」と指摘。ただ、「午前中に調整が足りなかったとみられ、入札後も上値の重い状況となっている」と話した。

30年債入札の結果はこちらをご覧下さい。

  

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