コンテンツにスキップする

ドル・円急落、トランプ氏勝利でリスク回避-一時1カ月ぶり101円台

更新日時
  • 一時101円20銭と1カ月ぶりの水準までドル安・円高が進行
  • 政府・日銀当局の動きが鍵になってくる-三菱東京UFJ銀

9日の東京外国為替市場ではドル・円相場が急落。米大統領選挙で共和党のドナルド・トランプ候補勝利の見通しとなり、リスク回避の動きが活発となった。

  午後4時40分現在のドル・円相場は前日比2.5%安の1ドル=102円51銭で、一時は約1カ月ぶりの水準となる101円20銭までドル安・円高が進んだ。朝方には民主党のヒラリー・クリントン候補優勢との見方から、10月28日以来の高値となる105円47銭を付けていた。円は主要通貨全てに対して上昇。円急騰を受けて、金融庁と財務省、日本銀行は午後3時から当局者会合を開いた。

  三菱東京UFJ銀行の関戸孝洋ジャパンストラテジストは、「ドル・円の下落見通しそのものは想定している動きだが、トランプ勝利の上でという想定ではない」と指摘。その上で、トランプ氏勝利で英国の欧州連合(EU)離脱のドル・円安値99円02銭を試すような円買い圧力が高まる可能性が高くなる中で、「政府・日銀当局の動きが鍵になってくる」とし、「特に100円を割れて99円を試すスピード次第では、そのリスクは大いに高まると想定している」と話した。

ドル・円が一時101円台まで急落

  8日行われた米大統領選挙の開票結果では、重要な激戦州で共和党のドナルド・トランプ候補が勝利を収め、トランプ政権が誕生する見通しとなった。

1478660639_306654947

選挙結果を見守るトランプ候補支持のシャツを着た男性

Photographer: Luke Sharrett/Bloomberg

  大統領選の開票が進み「トランプ大統領」が現実味が増す中、金融市場ではリスク回避の動きが加速。米株価指数先物やアジア株は急落し、米国債相場は急反発した。また、為替市場ではメキシコ・ペソが一時10%以上急落して過去最安値を更新。スワップ市場ではトレーダーが見込む12月の米利上げの確率が急低下した。

  外為どっとコム総研の神田卓也取締役調査部長は、「まさにBrexit(英国のEU離脱)と同じ轍を踏んでいるように見える」とし、「ドル・円の場合、Brexitとトランプ大統領とどちらが重いかということを考えると99円割り込む可能性は十分ある」と指摘。「99円割れるとなかなかめどのない世界に入ってしまう」と話した。

  浅川雅嗣財務官は為替相場について、投機的な動きが出ているとし、市場の荒れが続くなら必要な措置を取ると述べた。為替介入については「ノーコメント」とした。当局者会合後、記者団に語った。雨宮正佳日銀理事は「政府と連携取りながら市場動向をモニターする」とコメントした。

  浅川財務官の発言が伝わる中、ドル・円は一時102円台後半まで戻したが、その後伸び悩んでいる。

  しんきんアセットマネジメントの加藤純ニアファンドマネージャーは、ロンドンやニューヨーク次第ではドル・円の100円割れのリスクもあるだろうが、1日で4円余り動いていることもあり、「103円程度までの調整もあるだろう」と指摘。「今後はトランプ政権の経済政策や政権陣容が具体的になっていくのを見極めることになりそうだ。ただ、ドル安政策を志向していることや来年以降の米金融当局の利上げペースが見通しづらいことを考えると、ドル売り円買い圧力は根強く、ドル・円は年末100円前後で推移するとみる」と話した。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE