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債券上昇、トランプ候補優勢で買い-市場はノーガードだったとの声も

更新日時
  • 10年債利回り一時マイナス0.085%、20年債利回り0.34%まで低下
  • 相場は完全なリスクオフで円買い・債券買いで反応-みずほ証

債券相場は上昇。長期金利などは約1カ月ぶり水準まで低下した。米大統領選挙で共和党のドナルド・トランプ氏が予想に反して優勢となり、リスク回避の動きの強まりで株安・円高が進んだことが買い手掛かりとなった。

  9日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の344回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値と横ばいのマイナス0.07%で開始。0.5ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.065%を付ける場面もあったが、トランプ氏の優勢が伝わると、マイナス0.085%と9月30日以来の水準まで下げた。

  新発20年物の158回債利回りは一時0.34%と10月3日以来の低水準を付け、新発30年物の52回債利回りは0.465%と10月4日以来の水準まで買われた。

  みずほ証券の末広徹シニアマーケットエコノミストは、米大統領選でのトランプ候補当選の確率に関する報道も市場にリスク回避の織り込みを促していると指摘。「トランプ氏の政策を中長期的に考えればドル高や財政拡張による米金利上昇の可能性があるものの、相場は完全なリスクオフで円買い・債券買いで反応している」と述べた。

  長期国債先物市場で中心限月12月物は、前日比5銭安の151円75銭で開始し、151円72銭まで下落。午後に入ると上昇に転じ、一時152円04銭と10月7日以来の高値を付け、結局は15銭高の151円95銭で引けた。

長国先物の日中取引推移

  SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジストは、トランプ氏の優勢が債券買いにつながったと指摘。ただ、「日本銀行のイールドカーブ・コントロールが相当効いているので、動きは鈍い」とし、「円高・株安に加えて、米債が時間外取引で買われている割には日本国債金利の変動幅は小さい」と話した。

Does U.S. Election Pose a Brexit-Like Market Shock?

トランプ氏とクリントン氏

PAUL J. RICHARDS/AFP/Getty Images

  8日投票の米大統領選挙では開票が進んでおり、共和党候補のトランプ氏が当選するために勝利が必須とされる激戦州で予想外の力強さを見せている。

  メディア予測でトランプ氏が当選のために制する必要があるとされていたフロリダ、オハイオ、ノースカロライナの各州で勝利した。一方、民主党候補のクリントン氏は激戦州のバージニアを制した。

  三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは、「米連邦捜査局(FBI)による訴追なしを受け、クリントン候補が早々に勝利を決めるとの見方が一般的だった。市場はノーガードだった」と指摘した。

リスクオフ

  東京株式相場は大幅安。日経平均株価は前日比5.4%安の1万6251円54銭で終えた。一時は下げ幅が1000円を超える場面もあった。外国為替市場ではドル・円相場が大幅下落し、1カ月ぶりの安値となる101円台前半までドルが売られた。

  農林中金総合研究所の南武志主席研究員は、「トランプ氏勝利後の世界を考えると、まず米利上げついては景気が底堅い中で、年内利上げというのは変わらないと思う。12月利上げの可能性をはがすような動きは極端すぎると思う」と指摘。「トランプ氏が経済政策や政権陣容についての具体的な姿が見えない分、不透明感がリスクオフにつながっているが、別に米経済を腰折れさせるわけでもない。むしろ財政政策などは景気拡張的」と述べた。

  財務省は10日に30年利付国債の入札を実施する。52回債のリオープン発行となり、表面利率は0.5%に据え置かれる見込み。発行額は前回と同額の8000億円程度となる。

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