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ドルは104円台前半、米大統領選見極め-リスク懸念後退も上値限定

更新日時
  • 朝方に104円59銭まで上昇した後、104円30銭まで下げる場面も
  • リスクオフ巻き戻しで堅調ながら動きづらい-クレディ・アグリコル

8日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=104円台前半で推移。米大統領選で民主党候補のヒラリー・クリントン氏優位との観測を背景に、朝方はドル買い・円売りが先行したものの、投票結果を見極めたいとの姿勢から上値は限定的となった。

  午後4時15分現在のドル・円は前日比0.1%安の104円39銭。朝方に104円59銭まで水準を切り上げた後、一時104円30銭まで下げる場面もあった。前日の海外市場では一時104円63銭と1日以来のドル高・円安水準を付けた。

  クレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司外国為替部長は、「クリントン氏のメール問題が沈静化して米株が急伸し、リスクオフの巻き戻しとなった。クリントン氏の勝利は間違いなさそうだが、あと1日なので無理してドルロングを積み増すよりも、現状維持して結果を見てからという姿勢だろう。ドル・円は104円台で堅調ながら動きづらい」と述べた。

  AP通信が伝えたところによると、米国で8日投開票の米大統領選挙で民主党候補のクリントン氏はニューハンプシャー州ディックビルノッチで首位だった。投票数8票のうち、クリントン氏が4票、共和党候補のドナルド・トランプ氏が2票、リバタリアン党のゲーリー・ジョンソン氏が1票。同地の投票所は午前0時直後に開き、全員が投票した後で閉められた。

  7日に判明した複数の世論調査では、クリントン氏がトランプ氏を小幅ながらリードしていた。ブルームバーグ・ポリティクス調査は3ポイント、NBCニュース/ウォールストリート・ジャーナル調査とABCニュース/ワシントン・ポスト調査、CBSニュース調査は4ポイントの差でクリントン氏がトランプ氏を上回った。

  クレディ・アグリコル銀の斎藤氏は、「クリントン氏の勝ち方の内容を見極めたい。議会選挙で上下両院が共和党となる可能性があり、政権運営の難しさなどもある。僅差になった場合、トランプ氏からクレームが出て票の数え直しなどすっきり決まらない場合など不透明感は残る」と指摘。「Brexit(英国の欧州連合離脱)時の経験で、万一のこともあるので警戒感はゼロではない」と語った。

ドル・円相場の推移

  中国税関総署が8日に発表した10月のドル建て貿易統計によれば、輸出は前年比7.3%減と7カ月連続で減少した。輸入は1.4%減だった。いずれも市場予想を上回る落ち込みとなった。豪ドルは南アフリカランドを除く主要通貨に対して全面安となっている。

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  7日の米株式相場は急反発。 S&P500種株価指数は10営業日ぶりに上昇した。

  三井住友信託銀行NYマーケットビジネスユニットの海崎康宏マーケットメイクチーム長(ニューヨーク在勤)は、「クリントン氏の不起訴決定ということで、リスクオンという形になり、株買い、ドル買い、金利上昇。これで、クリントン氏が勝った場合のマーケットの反応が分かってしまったという感じ」と指摘。「仮にクリントンが勝利すればドル・円も上がるのではないか。105円台、もしかしたら106円台に乗るかもしれない」と述べた。

  トランプ候補の優勢度合いと逆相関関係を示しているメキシコ・ペソは8日、対ドルで一時1ドル=18.5501ペソと10月26日以来の水準に上昇する場面もあった。ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.1%高の1ユーロ=1.1047ドル。前日に一時1.1145ドルと10月10日以来のユーロ高・ドル安水準を付けた。ポンド・ドル相場は同時刻現在、0.1%高の1ポンド=1.2413ドル。

  大和証券の亀岡裕次チーフ為替アナリストは、8日付のリポートで、米大統領選挙の見通しに左右される市場だが、メール問題が再燃する直前の10月27日から11 月7日までの期間では、ハードBrexit懸念後退で「ポンド高が目立つ」との分析結果を指摘した。

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