コンテンツにスキップする

トヨタ:今期利益予想を上方修正、お家芸の原価改善と円安傾向で

更新日時

トヨタ自動車は今期(2017年3月期)の業績予想で、為替前提を円安方向に見直したほか、原価改善努力などにより、営業利益、純利益を上方修正した。いずれも市場予想は下回った。

  8日の決算資料によると、今期の営業利益は従来の1兆6000億円から前期比40%減の1兆7000億円、純利益が同1兆4500億円から同33%減の1兆5500億円の予想に見直した。ブルームバーグが集計したアナリスト20人の営業利益予想の平均は1兆8724億円、19人の純利益予想の平均が1兆6173億円。

  今期業績予想では為替変動の影響や原価改善の努力で、いずれも従来比400億円のプラス要因となる。為替前提は対ドルで従来の102円から103円、対ユーロで同113円から114円に見直した。伊地知隆彦副社長は決算会見で、英国が国民投票で欧州連合(EU)離脱を決めた直後に立ち上げた緊急収益改善活動が大変順調に進んだと話した。

伊地知隆彦副社長と早川茂専務が会見

Source: Bloomberg)

  トヨタが同時に発表した7-9月決算では、営業利益が前年同期比43%減の4746億円、純利益は同36%減の3937億円だった。円高や諸経費増加などが響いた。

  今期のダイハツ工業、日野自動車を含むトヨタグループ世界販売は小売りベースの計画で、従来の1015万台から前期比で横ばいの1010万台に修正した。北米市場について、伊地知氏は高水準の需要が続いており、注意深く見守る必要があるとした。同市場には17年以降、主力セダンで大幅モデルチェンジを控えているほか、小型のSUVを投入する予定という。

  ダイハツ工業、日野自動車を含むトヨタグループの今年1ー9月の世界販売は約752万9000台となり、独フォルクスワーゲン(VW)の約760万9000台を下回って首位を逃していた。トヨタグループでは今年、愛知製鋼の工場事故や熊本地震により国内部品会社の生産停止が相次ぎ、トヨタは国内工場の稼働一時停止を繰り返していた。

FCVやEVの選択肢も

  次世代の環境対応車について、伊地知氏は、本命は燃料電池車(FCV)と指摘し、FCVに重点を置いて開発を進めていると話した。水素社会を実現する過程では排出ガスをなくすゼロエミッションを達成するため、FCVのほか、電気自動車(EV)という選択肢もあるとも述べた。

  国内自動車決算では、ホンダが今期の営業利益や純利益予想を上方修正した。コスト削減効果や年金会計処理の影響などが円高の悪影響を吸収する。日産自動車は円高が響いて7-9月決算が減収減益となり、今期業績予想を据え置いた。

自己株取得・消却

  トヨタは同日、自己株取得を決めたと発表した。4000万株(自己株を除く発行済み株総数の1.31%)、2000億円を上限に、15日から17年2月14日までに取得する予定。株主還元や資本効率の向上、機動的な資本政策を遂行するため。30日には自己株7500万株を消却するとも発表した。9月30日時点の自己株は約3億3468万株で、自己株を除く発行済み株総数が約30億5041万株。

  伊地知氏は自己株について、経営の柔軟性を確保をするために3億株を確保し、それを超える分は原則、消却していくと話した。

(環境対応車の戦略や自己株取得の情報を追加しました.)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE