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TOPIXが小幅続伸、米選挙不安の後退と為替安定-輸出、素材上げ

更新日時
  • クリントン氏は政策予見性高い、株価にややプラスの評価
  • 大統領選後にらみ二極化相場の様相、ディフェンシブは下落

8日の東京株式相場はTOPIXが小幅に続伸。米国大統領選で民主党のクリントン氏優位の見方が強まったほか、為替の安定も好感された。輸送用機器など輸出株、鉄鋼など素材株が高く、金利上昇期待で保険や銀行など金融株も堅調。半面、陸運株などディフェンシブ業種は軟調、医薬品株はクリントン候補の政策の影響も懸念された。

  TOPIXの終値は前日比0.69ポイント(0.1%)高の1363.49、日経平均株価は5円83銭(0.03%)安の1万7171円38銭。

  三井住友アセットマネジメント株式運用グループの平川康彦ヘッドは、クリントン氏勝利なら株価のディスカウント要因は払拭(ふっしょく)されるが、「10月以降に先行して株価が上昇してきただけに、パワーの弱い大統領の誕生で新たにリスクを取る流れになるかというと、疑問もある」と話した。米大統領選後の日本株は「若干のプラス程度で、日経平均は1万7000-1万7500円のレンジを維持できればいい方」とみている。

Democratic Presidential Candidate Hillary Clinton Holds Pittsburgh Campaign Rally

クリントン氏優位

Photographer: Pete Marovich/Bloomberg

  米大統領選投票日を翌日に控えた7日、民主党候補のヒラリー・クリントン氏の小幅リードが複数の世論調査で示された。NBCニュース/ウォールストリート・ジャーナル調査などでは、4ポイント差でクリントン氏が共和党のドナルド・トランプ氏を上回る。また、ネイト・シルバー氏のサイト、ファイブサーティエイトでの選挙予測ではクリントン氏勝利の確率が69%、ニューヨーク・タイムズ紙の予測モデルでは84%となっている。

  クリントン氏勝利の観測から、7日の米国株は主要指数が2%以上上げる大幅反発となった一方、逃避需要が後退した米国債は下落。クリントン氏勝利の場合、米金融当局による12月利上げの可能性が高まるとみられており、先物市場が織り込む12月の利上げ確率は80%と前週末の76%から上昇した。きょう午後のドル・円相場はおおむね1ドル=104円40銭前後と、前日の日本株終値時点104円37銭に対し横ばい圏だった。

  SMBCフレンド証券・投資情報部の松野利彦チーフストラテジストは、「冷静に考えれば、米大統領選は英国民投票と違って直接投票ではない」と指摘。多くの州で勝った方が選挙人を総取りする方式ではクリントン氏が終始優勢だったとし、「オハイオやフロリダなどの激戦州を1つでも取れれば、クリントン氏は過半数になる一方、トランプ氏は全て取らなければ勝てない。差は大きい」と言う。クリントン氏については、「政策の予見可能性が高く、マーケットとしては安心感がある」との認識を示した。

  もっとも、日経平均は直近下げ分の半分を取り戻した後で、米大統領選当日という事情もあり、TOPIXとともに前日終値を挟みプラスとマイナスを繰り返す方向感に乏しい1日だった。水戸証券投資顧問部の酒井一ファンドマネジャーは、「『トランプ大統領リスク』を織り込む形で投資家は多めにヘッジ売りをかけていたが、きのうまでの時点で楽観方向にポジションを修正した」と分析。ポジション調整が一段落し、きょうは様子見だったとしている。前日の日経平均は271円高、上げ幅は9月21日以来の大きさだった。

  業種別では、米大統領選後をにらむ二極化相場の様相を呈した。輸送用機器など輸出株、鉄鋼や非鉄金属などの素材株といったシクリカルバリュー銘柄が買われ、金利上昇が追い風となる保険や銀行株も上げた。半面、医薬品や陸運、食料品、情報・通信株など内需ディフェンシブセクターは下落。クリントン氏勝利で米利上げ機運が高まり、米金利が2%に向かっていくことになれば「一段とグロース売り、バリュー買いの動きになる可能性がある」と、三井住友アセットの平川氏は予想する。東証1部売買高は16億5971万株、売買代金は1兆7767億円。値上がり銘柄数は805、値下がりは1055。

米10年債利回りの推移
  • 東証1部33業種は海運や鉄鋼、非鉄、輸送用機器、保険、ゴム製品、卸売、ガラス・土石製品、精密機器、銀行など17業種が上昇。繊維や医薬品、鉱業、倉庫・運輸、陸運、食料品、情報・通信など16業種は下落。

  • 売買代金上位ではトヨタ自動車や新日鉄住金、商船三井が高い。みずほ証券が投資判断を上げたスズキ、午後に利益計画と期末配当の上積みを発表した清水建設も買われ、今期の営業利益計画を上方修正したブラザー工業は大幅高。半面、今期の営業利益計画を下方修正した東レが売られ、決算失望のDMG森精機、決算内容があらためて懸念された小野薬品工業の下げもきつい。大成建設も売られた。

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