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債券上昇、10年入札好調で買い優勢に転じる-長期金利2週ぶり低水準

更新日時
  • 新発10年債利回りマイナス0.07%、新発20年債利回り0.365%に低下
  • 10年入札は直近の利回りレンジ上限で投資家から需要-メリル日本証

債券相場は上昇。長期金利は約2週間ぶりの水準に低下した。米国の大統領選挙をめぐる不透明感が緩和したことを背景に売りが先行した後、この日実施の10年国債入札結果が好調だったことを受けて買いが優勢の展開に転じた。

  8日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の344回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値から0.5ベーシスポイント(bp)上昇のマイナス0.05%で取引を開始し、午前は同水準で推移した。午後に入ると、10年債入札結果を受けてマイナス0.07%と10月26日以来の水準まで下げた。新発20年物の158回債利回りは一時1.5bp高い0.385%と10月31日以来の水準まで上昇していたが、午後は0.365%に低下した。新発30年物52回債利回りは1bp上昇の0.505%と1日以来の高水準を付けた後、横ばいの0.495%に戻した。

  長期国債先物市場で中心限月12月物は前日比4銭安の151円74銭で取引を開始。その後は上値の重い展開となり、8銭安まで下落した。午後には上げに転じ、一時5銭高まで上昇。結局は2銭高の151円80銭で引けた。

長国先物の日中取引推移

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、10年債入札の結果について、「想定していた以上に強い感じではある」とし、「最近のマイナス0.07%からマイナス0.05%の非常に狭い長期金利のレンジの中では比較的買いやすい水準には入ってきていたということで、投資家の需要があったと思われる」と説明。午後の相場堅調につながったものの、大統領選の結果が出るまでは買いの持続性には疑問符が付くとみる。

  財務省が発表した表面利率0.1%の10年利付国債(344回債)の入札結果によると、最低落札価格が101円54銭と、市場予想の101円51銭を上回った。小さければ好調を示すテール(最低と平均落札価格の差)は1銭と昨年9月以来の水準に縮小。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は4.35倍と2014年4月以来の高水準となった。

過去の10年債入札の結果はこちらをご覧ください。

  SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジストは、入札の好調について、「日本銀行の長短金利操作付き量的・質的金融緩和策の中で、最も10年が政策確度が高く、10年債を保有するリスクが限定的であることが影響している」と指摘。「単体でみれば、キャリーロールダウン効果も期待できる他、オペの回数が多いゾーンでいつでも日銀に売ることができる」などの背景があると話す。

米大統領選への警戒感くすぶる

Does U.S. Election Pose a Brexit-Like Market Shock?

トランプ氏とクリントン氏

PAUL J. RICHARDS/AFP/Getty Images

  民主党のクリントン大統領候補による国務長官時代の私的な電子メール使用をめぐる問題で、米連邦捜査局(FBI)長官が6日に訴追しない方針をあらためて示したことを受けて安心感が広がり、7日の米国市場では株高・債券安の展開となった。

  FOXニュースがまとめた投票前最終の全米世論調査によると、クリントン氏の支持率がトランプ氏を4ポイント上回っているが、依然として僅差の状態が続いている。

  SMBC日興証の竹山氏は、「クリントン氏の勝利で多少海外の金利が上昇しても、円債で超長期債利回りが若干反応する程度」とみる。
  

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