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電通に強制捜査、違法長時間労働の疑いで厚労省-書類送検も視野

更新日時
  • 「全面的に協力」すると、電通の広報担当がコメント
  • 長時間労働の是正など働き方改革を進めたい-菅官房長官
電通の東京本社

電通の東京本社

Photographer: The Asahi Shimbun via Getty Imag
電通の東京本社
Photographer: The Asahi Shimbun via Getty Imag

国内広告最大手の電通に、厚生労働省が強制捜査に乗り出した。新入女性社員の自殺が過労死と認定された同社では、労働基準法違反の疑いが持たれている。

  電通に違法な長時間労働があった疑いで厚労省が7日午前、家宅捜索に入ったと同省労働基準局の担当者が電話取材に明らかにした。違反が見つかった場合には、刑事事件として書類送検することも視野に入れているという。捜索が入ったのは電通の東京本社、大阪、名古屋、京都にある支社で、合計4カ所。電通は「全面的に協力」すると、広報担当の河南周作氏が電話取材で述べた。

  日本で長年続く労働慣行がひずみとなって過労死などの問題を引き起こす中、安倍晋三政権は働き方改革を最重要課題の一つに掲げている。厚労省の過労死等防止対策白書によると、仕事疲れなど勤務問題を原因・動機の一つとする自殺者は、2011年をピークに減ってはいるものの、15年には2159人に上った。

株価いったん下落

  電通の株価は取引開始後に前週末終値比2.2%高まで上昇していたが、強制捜査が報じられると下落に転じ、一時同1.4%安まで値を下げた。午後に入ってプラス圏に浮上し、同0.4%高の5130円で取引を終了した。

  石井直社長は7日午後、本社ホールと関西支社、中部支社を中継で結び、社員に向けて「働き方の進化に向けて」と題して説明。業務量の削減や分散化、プロセスの見直しなどを訴えた。同社がファクスを通じて明らかにした。

「厳格化悪くない」

  しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長は電話取材に対し、「好ましくない話であるが、無頓着な会社がより厳格になることは悪くない」と述べた。

  菅義偉官房長官は7日午前の記者会見で、電通の強制捜査を受けて「働き過ぎによって尊い命を落とすようなこと」がなくなるよう働き方改革を進めていきたいと述べた。

  電通は14年6月に関西支社が、15年8月には東京本社が労働基準法違反などの是正勧告を受けていた。同社は今月1日、社長らで構成する労働環境改革本部を発足させ、夜10時以降の業務を原則禁止とし、全館消灯などのルールも取り決めていた。

(社長の社内向けの説明を第5段落に加えます.)
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