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ドル・円が大幅上昇、クリントン勝利期待でリスク選好-104円台回復

更新日時
  • 午後には一時104円58銭と1日以来の高値を更新
  • ドルロングの構築をしやすい感じにはなってきた-三菱東京UFJ銀

7日の東京外国為替市場ではドル・円相場が大幅上昇し、4営業日ぶり高値を付けた。米連邦捜査局(FBI)によるクリントン氏のメール問題調査の結論に変更はないとの報道を受け、米大統領選での同氏勝利への期待からリスク選好の動きが強まった。

  午後3時35分現在のドル・円は前週末比1.2%高の1ドル=104円40銭。早朝の103円台前半から104円台半ばまで急伸した後は伸び悩んだが、午後には再びドル買い・円売りが強まり、一時104円58銭と1日以来の高値を更新した。ブルームバーグのデータによると、円は主要通貨全てに対して下落。FBIのコミー長官は6日、米議会に書簡を送り、米大統領選の民主党候補クリントン氏による国務長官時代の私的な電子メール使用について、犯罪に相当しないという結論に変更はないと伝えた。

  ウエストパック銀行のシニア為替ストラテジスト、ショーン・キャロー氏(シドニー在勤)は、クリントン氏が勝利すれば、12月の米利上げに向けた障害が取り除かれるとともに、市場は2017年のより積極的な引き締めを織り込むだろうと指摘。「米株価指数先物の急上昇や金相場の下落は、トランプ氏勝利が世界経済の成長や企業利益にとってマイナスとみられていることをさらに裏付けるものだ」と語った。

ドル・円が104円台に急伸

  6日公表された一連の世論調査では、クリントン氏が全国的にリードを保つ一方、オハイオやフロリダを含む激戦州ではなお接戦であることが示された。米大統領選は米国時間8日に投開票が行われる。  

米大統領選の手引きはこちらをご覧ください。

  FBI長官書簡の報道を受け、週明けの取引ではリスク選好の動きが強まった。米株価指数先物は1%以上上昇し、アジア株や日本株は反発。安全資産とされる金先物は下落し、米10年債利回りは1.82%台へ上昇している。また、外国為替市場ではドルが主要通貨の大半に対して反発。一方、メキシコペソは全面高となった。

  三菱東京UFJ銀金融市場部為替グループの野本尚宏調査役は、クリントン氏のメールリスクが落ち着き、「米大統領選を控えて材料視されづらかった好調な米経済指標や、12月FOMC(米連邦公開市場委員会)における利上げに向けたドルロングの構築をしやすい感じにはなってきた」と指摘した。

  米連邦準備制度理事会(FRB)のフィッシャー副議長は4日、直近のデータが利上げの論拠を強めるとのFOMCの見解をあらためて主張した。同日発表された10月の米雇用統計では非農業部門雇用者数の伸びが市場予想に届かなかったが、8、9月分が上昇修正された。平均時給は前年比で2.8%増と伸びが加速した。

  米金利先物市場動向に基づくブルームバーグの算出によると、12月のFOMCでの利上げの予想確率は4日時点で76%。前日は78%だった。  

  三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは、FBIがメール問題を訴追しないと報じられ、トランプリスクで先週売られたドルや株に買い戻しが入っているが、「接戦州の結果がクリントン氏に全て流れるという話でもない」と指摘。「大統領選の結果を予測できないので、先週の巻き戻し相場にも限界があるだろう」と話した。

  浅川雅嗣財務官は7日のインタビューで、米大統領選挙を受けた為替市場の動向について、過度な変動を懸念していると述べ、市場動向を注視する姿勢を示した。同選挙を受けた為替介入の可能性について「コメントできない」としながらも、一般論として「為替介入をしないと決めたわけではない。マクロ経済安定化のツールとして為替政策は有効だと思っている」との認識を示した。

  ユーロ・円相場は同時刻現在、0.6%高の1ユーロ=115円60銭で、一時115円90銭と1カ月ぶりの水準まで円安が進んだ。ユーロ・ドル相場は0.6%安の1ユーロ=1.1072ドル。早朝に1.1145ドルと10月11日以来のユーロ高・ドル安水準を付けた後、一時1.1044ドルと4営業日ぶりの水準までドル高が進んだ。

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