コンテンツにスキップする

【今週の債券】金利低下か、米大統領選後もリスク回避姿勢残るとの声

  • リスクオフ気味に債券が買われやすい局面ありそう-三菱UFJ信託
  • 長期金利の予想レンジはマイナス0.09%~マイナス0.03%

今週の債券市場では長期金利が低下すると予想されている。8日の米大統領選挙をめぐる不透明感からリスク回避の動きが強まり、買い圧力が掛かりやすいとの観測が背景にある。市場参加者からは、大統領選後も投資家のリスク回避姿勢が根強く残るとの見方も出ている。

  ブルームバーグが前週末に市場参加者4人から聞いた新発10年物国債利回りの今週の予想レンジは、全体でマイナス0.09%~マイナス0.03%となった。

Japan Finance Ministry Said to Plan 1 Trillion Yen Bond Sale

財務省

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  財務省は今週、10年物と30年物の利付国債入札を実施する。いずれも前回(344回債、52回債)のリオープン発行となる見込み。債券相場のボラティリティ低下で投資家が購入しやすくなるとの観測から順調に消化される見通し。

  先週は新発20年債利回りが0.355%、新発30年債利回りは0.475%と、超長期債のオペ減額が発表された9月30日に付けた直近の低水準0.33%、0.42%にそれぞれ接近した。市場では9月末の水準を下回った場合、月中でも日銀が超長期オペを減額してくるかどうかが焦点となっている。

予想レンジと相場見通し

*T
◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
先物12月物=151円60銭-152円20銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.09%~マイナス0.04%
  「米大統領選でトランプ氏が勝利した場合、金融市場は荒れそう。一時的に投資家のリスク回避姿勢は強まり、利回りの低下要因となろう。ただ、国内ではイールドカーブ平たん化への警戒感が続いている上、米利上げ観測にも変化はなく、上値追いには慎重な姿勢が続こう。順当にクリントン氏が勝利すれば円安、株高基調に戻るだろうが、本格的な戻りは期待しづらく、円高への警戒感は続く。先行き不透明感は残り、投資家のリスク回避姿勢が完全に後退することはないだろう」

◎三菱UFJ信託銀行資金為替部の鈴木秀雄課長
先物12月物=151円60銭-152円10銭
10年物国債利回り=マイナス0.09%~マイナス0.04%
  「全体的には米大統領選挙をめぐる不透明感から、リスクオフ気味に債券が買われやすい局面はありそうだ。ただ、日銀の金利コントロール政策の中で海外要因に対して感応度が落ちていることもあり、円債そのものの動きは限定的になりそう。週内に10年債と30年債の入札が行われる。いずれの入札についても、債券市場のボラティリティが下がる中で業者サイドも入札で持ちやすい。日銀トレードがやりやすいということもあり、波乱なく終わるとみている」

◎アムンディ・ジャパンの浜崎優市場経済調査部長
先物12月物=151円50銭-152円00銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.08%~マイナス0.03%
  「米大統領選のメーンシナリオはクリントン氏の勝利。トランプ氏はよく追い上げたが、勝利には至らないというものだ。長期金利はリスクオフの動きでマイナス0.065%程度に下げており、反動が出やすくなる。一方、トランプ氏勝利の場合、株式市場などは慌てるだろう。ただ、財政拡張派とされるので企業減税などを打ち出すと、中期的には株価は上昇するのではないか。クリントン氏が勝っても上下院とも共和党が取ると、政治停滞観測が強まる可能性があり、株価は伸び悩むだろう」
 
◎大和証券の山本徹チーフストラテジスト
先物12月物=151円70銭-152円00銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.08%~マイナス0.05%
  「日銀の政策は、本当はイールドカーブを引き下げたいが、金融機関の収益への配慮のために引き下げられない。そのため、現状程度のイールドカーブを維持しているように思える。展望リポートでは前回7月にはなかった言葉、自然利子率が登場した。この自然利子率は危険な言葉であり、使った瞬間に従来以上に緩和的な金融政策が必要となるが、金融政策と金融システムの安定のバランスを取るために、現状程度のイールドカーブを維持することになるわけだ」
*T

今週の主なイベント

8日10年利付国債入札発行額は2兆4000億円程度
10日30年利付国債入札発行額は8000億円程度
新発10年物の344回債利回り推移
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE