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債券下落、米大統領選の懸念緩和で売り優勢-下値は限定との見方も

更新日時
  • 先物は一時11銭安の151円76銭、新発20年債利回り0.375%に上昇
  • どちらの候補が勝利しても債券にはいい話ではない-三井住友AM

債券相場は下落。米大統領選をめぐる不透明感がやや緩和したことを背景にドル高・円安が進行したことや、10年利付国債の入札を翌日に控えて売り圧力が掛かった。

  7日の長期国債先物市場で中心限月12月物は前週末比8銭安の151円79銭で取引を開始。一時は151円76銭と、日中取引ベースで3営業日ぶりの安値を付けた。その後5銭安まで下げ幅を縮める場面も見られたが、結局9銭安の151円78銭で引けた。

長国先物の日中取引推移

  三井住友アセットマネジメントの深代潤グローバル戦略運用グループヘッドは、目先は米大統領選をめぐる「トランプリスク」が少し低下した格好となり、債券売りにつながったと説明。ただ、「どちらの候補が勝利しても財政は拡張的になるなど、長期的に見れば債券にとってあまりいい話ではない」と言う。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の344回債は日本相互証券が公表した前週末午後3時時点の参照値から1ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.055%で推移した。新発20年物の158回債利回りは一時1.5bp高い0.375%を付け、新発30年物52回債利回りは1bp高い0.495%まで売られた。

  米連邦捜査局(FBI)のコミー長官は6日、米議員に書簡を送付し、大統領選の民主党候補のクリントン氏による国務長官時代の私的な電子メール使用について、犯罪に相当しないという結論に変更はないと伝えた。これを受けて、週明けの東京時間早朝の取引ではドル買いが先行。対円では一時前週末比1.4%高の1ドル=104円58銭と、4営業日ぶりの水準に上伸した。

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トランプ候補集会の参加者

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

米大統領選の最新世論調査はこちらをご覧ください。

  前週末4日の米株式相場は続落。経済指標を受けて年内の利上げ観測が高まったことなどを背景に、S&P500種株価指数は前日比0.2%安で引けた。一方、米国債相場は上昇した。10月の雇用統計が雇用者数の増加や賃金の伸び加速を示し、年内の利上げ観測が強まったものの、市場の注目は8日の大統領選挙に移り、買いが優勢になった。10年債利回りは前日比4bp低下の1.78%程度に下げた。

10月の米雇用統計の詳細はこちらをご覧ください。

  日本銀行がこの日に実施した今月2回目となる長期国債買い入れオペの結果によると、応札倍率は残存期間「1年以下」が4.48倍、「1年超3年以下」が3.3倍、「3年超5年以下」が4.1倍と、いずれも前回を上回った。

  一方、8日には財務省が10年利付国債の入札を実施する。前回344回債のリオープン発行となる見通しで、発行額は2兆4000億円程度となる。

  三井住友アセットの深代氏は、10年債入札について、「トランプ氏勝利の可能性が残っている状況であれば、買いも見込めるが、今の状況で新たな材料が出てこなければ、少し札が流れる可能性がある」と指摘。10日の30年利付国債入札については、「クリントン氏勝利でリスクオンムードになった状況での入札となると、警戒感が生じかねない」と話す。

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