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【債券週間展望】長期金利低下か、米大統領選めぐる不透明感

  • トランプ氏勝利なら金融市場は荒れそう、利回り低下要因-岡三証
  • 金利水準次第で日銀がどう対応していくかが焦点-バークレイズ証

来週の債券市場では長期金利の低下が予想されている。米国の大統領選挙を8日に控え、共和党のトランプ候補が勝利するリスクが警戒されている。週前半は買い圧力が掛かる一方、10年債と30年債の入札を控えて上値は限定的となる可能性がある。

  今週の新発10年物国債344回債利回りは、週初に日本銀行の当面の長期国債等買い入れの運営方針をめぐって減額の可能性が意識され、マイナス0.05%で開始。オペ運営方針が前月から据え置かれた上、一部の世論調査でトランプ氏の支持率がクリントン氏を上回るなど、米大統領選をめぐる不透明感が強まると、マイナス0.065%まで低下した。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「トランプ氏が勝利した場合、金融市場は荒れそうだ」とし、「一時的に投資家のリスク回避姿勢が強まり、利回りの低下要因となろう」とみる。ただ、「国内ではイールドカーブ平たん化への警戒感が続いている上、米利上げ観測にも変化はなく、上値追いには慎重な姿勢が続く」と述べた上で、「10年国債と30年国債の入札が相次ぐことも上値を抑える要因」と付け加えた。

新発10年物の344回債利回り推移

  財務省は8日に10年利付国債の入札を実施する。発行額は2兆4000億円程度。10日には30年利付国債の入札が予定されており、発行額は8000億円程度となる。

Japan Finance Ministry Said to Plan 1 Trillion Yen Bond Sale

財務省

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  三菱UFJ信託銀行資金為替部商品課の鈴木秀雄課長は、「債券市場のボラティリティが下がる中で、業者サイドも入札で持ちやすい」と言い、「日銀トレードがやりやすいということもあり、波乱なく終わる」と予想。ただ、10年債入札については、「米大統領選挙前ということでポジションを取りづらいと判断される可能性があるのが不透明要因」とみている。

  一方、日銀の買い入れオペも引き続き焦点となりそうだ。バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは「金利水準次第で日銀がどう対応していくかというところがフォーカスされる」と指摘。日銀が1日に発表した当面の長期国債買い入れオペの運営方針では全年限とも前回から金額の変更はなかったとし、「日銀が超長期セクターの金利上昇を引き上げるようなオペレーションまではしたくないとの見方につながった」と説明した。

市場関係者の見方

*T
◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
*トランプ氏勝利なら金融市場は荒れそう、利回り低下要因
*順当にクリントン氏勝利なら円安・株高基調に戻るが、本格的な戻り期待しづらい
*長期金利の予想レンジはマイナス0.09%~マイナス0.04%

◎三菱UFJ信託銀行資金為替部商品課の鈴木秀雄課長
*全体的にはリスクオフ気味に債券が買われやすい局面はありそう
*日銀金利コントロール政策の中で海外要因への感応度が落ちており、円債の動きは限定的になりそう
*長期金利の予想レンジはマイナス0.09%~マイナス0.04%

◎ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジスト
*米大統領選、どちらにしても金利が上がる方向の材料
*円金利、米金利との裁定関係でトランプ氏勝利の場合は普通に考えたら少し上がる可能性の方がある
*長期金利の予想レンジはマイナス0.08%~マイナス0.03%

*T

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