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ドルは103円前半、米大統領選の不透明感で上値重い-米雇用統計待ち

更新日時
  • 午前に付けた102円83銭から午後は103円36銭まで戻す場面も
  • いったんリスクオフの動きが収まってきたが、動きにくい-大和証

4日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=103円台前半で推移。8日の米大統領選挙をめぐる不透明感を背景に、上値が重い展開となっている。

  午後4時9分現在のドル・円は前日比0.3%高の103円27銭。午前10時すぎに102円83銭までドル安・円高が進んだ後、午後はドル買い・円売りがやや優勢となり、103円36銭まで戻す場面もあった。ブルームバーグ・ドル・スポット指数は同時刻現在、0.1%高の1199.33。前日には一時1196.99と10月20日以来の低水準を付けた。

  大和証券の亀岡裕次チーフ為替アナリストは、「米大統領選の世論調査でクリントン候補がトランプ候補を若干リードと報じられ、いったんリスクオフの動きが収まってきた。ただはっきりとした結果は分からないのでどちらにも動きにくい」と説明。「今晩の米雇用統計の結果に従って振れると思う。下振れして円高・ドル安に振れても102円台前半にはなりにくいだろう。一方、上値は104円台までは難しく103円60銭ぐらいではないか」と述べた。

  ブルームバーグ予測調査によると、4日に発表される10月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比17万3000人増加が見込まれている。9月は15万6000人増加だった。同日はまた、フィッシャー米連邦準備制度理事会(FRB)副議長とアトランタ連銀総裁の講演が同日に予定されている。

ドル・円相場の推移

  

米大統領選の世論調査に関する記事はこちらをご覧ください

  ソシエテ・ジェネラル銀行東京支店の鈴木恭輔為替資金営業部長は、ドル・円について、「米大統領選の不透明感を受けた海外株安や円高を受けた株安が進む中で上値の重い動き」と指摘。「ドル・円そのものの短期的なポジショニングは足元の下落でほとんど中立」との見方を示した。

  4日の東京株式相場は大幅続落。日経平均株価は前営業日比229円32銭安(1.3%安)の1万6905円36銭と1万7000円の大台を割り込んで取引を終えた。

  3日の米国市場では、ドルが5営業日続落し、7月来で最長を記録した。ドル・円は一時102円55銭と10月4日以来のドル安・円高水準を付けた。一方、S&P500種株価指数は前日比0.4%安の2088.66。米投資家の恐怖心理を示すシカゴ・ボラティリティ指数(VIX)は22.57まで上昇し、6月27日以来の高水準を付けた。

  三菱東京UFJ銀行の平井邦行上席調査役(ニューヨーク在勤)は、「政治相場というか政治が表舞台に立ってきているので、当然雇用統計は注目されてはいるが、よほど悪い数字でなければ、リスクオフを醸成するようなことにはならない。ただ、仮に良かったとしても、霧が晴れるような感じにはならない」との見方を示した。

  米連邦公開市場委員会(FOMC)は1、2日に定例会合を開き、政策金利の据え置きを決めた。声明文は「フェデラルファンド(FF)金利引き上げの論拠は引き続き強まっていると判断しているが、委員会の目標に向けて進展を続けていることを示すさらに幾つかの証拠を当面待つことを決めた」と説明した。

  大和証の亀岡氏は、FOMCについて、「米経済統計だけでなく大統領選の結果とその影響次第では利上げできない可能性も含めて、はっきりとした内容にはならなかった」と指摘した。

  メキシコペソは対ドルで3日に1ドル=19.5476ペソと9月30日以来のドル高・ペソ安値を付けた後、反発し、一時19.1132ペソまで戻した。

The Fed's Slow, Careful Move on Rates

イエレンFRB議長

Photographer: Pete Marovich/Bloomberg via Getty Images

  シティグループ証券の高島修チーフFXストラテジストは4日付リポートで、「通貨オプション市場では対円や対ユーロで米ドルプット主体にボラティリティが高騰中。トランプリスクをヘッジする動きが活性化している」と指摘。一方、「昨日興味深かったのは、過去1週間急反落してきたメキシコペソが下げ渋ったことだ。世界中の投資家が現在、トランプリスクの象徴と目しているメキシコペソの値動きはトランプリスクのリプライシングが終盤戦に入ったことを暗示しているのではないか」と分析した。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、ほぼ横ばいの1ユーロ=1.1106ドル。前日に一時1.1126ドルと10月11日以来のドル安・ユーロ高水準を付けた。ポンド・ドル相場はほぼ横ばいの1ポンド=1.2465ドル。前日には一時1ポンド=1.2494ドルと10月7日以来のポンド高・ドル安水準を付けた。

  イングランド銀行(英中央銀行)は3日、金融政策の据え置き決定を発表。年内の追加利下げ見通しを撤回した。インフレ加速の懸念から、ある時点で引き締めが正当化される可能性もあることを示唆した。一方、ロンドンの裁判所は同日、欧州連合(EU)からの離脱に対して議会の承認が必要との判決を下した。政府は上訴する見通し。

  大和証の亀岡氏は、「イングランド銀行はポンド安とインフレを気にしている。いったん利下げ一服という姿勢。利上げはないが、しばらく様子見だろう」と指摘。「ポンドは金融政策よりEU離脱の方が影響が大きい。離脱交渉を開始する時期が遅れるならポンド高。早く始まるならポンド安」と述べた。

  新興国通貨では、トルコリラが急落。ディヤルバクルでの爆発報道でドルに対して最安値を更新した。ドル・トルコリラは1ドル=3.1325リラ前後。一時は3.1380リラまで売られた。

  中国人民元もまた、対通貨バスケットで過去最安値を付けた。中国人民銀行が人民元安を容認しているとの観測が背景。

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