4日の東京株式市場は続落し、日経平均株価はおよそ2週間ぶりに1万7000円を割り込んだ。米国の政治リスクや為替が1カ月ぶりの円高水準に振れたことが嫌気され、輸送用機器など輸出株、保険など金融株、医薬品や商社株など幅広い業種が安い。

  TOPIXの終値は前営業日比21.40ポイント(1.6%)安の1347.04、日経平均株価は229円32銭(1.3%)安の1万6905円36銭。続落は3週ぶりで、TOPIXは10月13日、日経平均は同17日以来の安値を付けた。

  富国生命保険の山田一郎株式部長は、「米大統領選の見通しに疑心暗鬼。英国のEU離脱時の怖さを知っているので、ポジションを閉じたり、ショートを振ったりという動きがある」と話した。市場はまだ共和党のトランプ氏勝利を織り込んでおらず、「トランプ氏になった場合、政策へ不透明感を嫌気し、株価が急落する可能性がある」と警戒感を示す。

米大統領選の行方は混沌
米大統領選の行方は混沌
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

  8日に米大統領選が迫る中、3日に公表された複数の世論調査で民主党のクリントン候補と共和党のトランプ候補が接戦となっている。ニューヨーク・タイムズ紙とCBSがまとめた調査では、クリントン氏の支持率が45%、トランプ氏は42%。クリントン氏のリードは、10月半ば時点での9ポイントから縮小した。

  政治リスクの高まりが嫌気され、3日の米国株はS&P500種株価指数が8営業日続落し、2008年以降で最長の連続安となった。米投資家の恐怖心理を示すシカゴ・ボラティリティ指数(VIX)は過去最長の連続上昇で、6月27日以来の高水準。ニューヨーク原油先物は5日続落した。

  きょうのドル・円相場は1ドル=102円80銭台から103円20銭台と、2日の日本株終値時点103円84銭からドル安・円高水準で取引された。東京市場が休場だった3日の海外市場ではドルが下落し、一時102円55銭と10月4日以来のドル安・円高に振れていた。ソシエテジェネラル証券の杉原龍馬株式営業部長は、「日本株市場が休場の間に欧米市場で大統領選への懸念がもう一段強まった。イベント前にどうしても買い手が引っ込んでしまっている」と言う。

  一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)は1、2両日に定例会合を開き、政策金利を据え置いた。声明は、「フェデラルファンド(FF)金利引き上げの論拠は引き続き強まっていると判断しているが、委員会の目標に向けて進展を続けていることを示すさらにいくつかの証拠を当面待つことを決めた」と説明。みずほ証券投資情報部の三野博且シニアストラテジストは、「大統領選の結果によっては米利上げを見送りにしなくてはならず、様子見」と指摘するなど、市場では材料視されなかった。

  週末の日本株は、日経平均が10月20日以来となる1万7000円を割り込んで始まり、その後332円安まで売り込まれる場面があった。東証1部の値動きを規模別で見ると、時価総額と流動性上位銘柄への売り圧力が強く、TOPIXコア30指数の下落率が2.3%とミッド400の1%、スモールの0.8%などより大きかった。東証1部の売買高は20億5681万株、売買代金は2兆3565億円。上昇銘柄数は395、下落は1512。 

  リスク資産を減らす動きは国内新興市場の値動きにも見え、東証マザーズ指数は2.3%安の872.29と大幅に3日続落。終値では英国の欧州連合(EU)離脱表明で急落した6月24日を下抜け、3月2日以来の安値となった。

  • 東証1部33業種は輸送用機器、保険、医薬品、海運、その他製品、卸売、鉱業、建設、金属製品、その他金融など31業種が下落。水産・農林、非鉄金属の2業種のみ上昇。

  • 売買代金上位ではトヨタ自動車が4%超下げ、任天堂や三菱UFJフィナンシャル・グループ、KDDI、三菱商事、マツダ、アステラス製薬、パナソニックも安い。9カ月利益の進捗率が低いユニ・チャーム、業績計画を下方修正したダイセルは大きく売り込まれた。一方、通期利益計画を増額したセガサミーホールディングスのほか、旭化成やローム、JR九州、良品計画、ブイ・テクノロジーは高い。
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