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債券上昇、米大統領選が不透明で株続落-超長期金利の低下には警戒感

更新日時
  • 先物は6銭高の151円87銭で終了、長期金利マイナス0.065%
  • 20年債が9月末水準に接近、月中オペ再減額が焦点に-三菱モルガン

債券相場は上昇。8日の米大統領選をめぐる不透明感から米国株式相場の下落が続き、日本株も大幅に下げたことや、日本銀行の国債買い入れオペ実施が買い手掛かりとなった。半面、市場参加者の間では、超長期債利回りが一段と低下するとオペが再び減額されるとの警戒感が強く、相場の重しとなった。

  4日の長期国債先物市場で中心限月12月物は、前日比5銭高の151円86銭で取引開始。午前の金融調節で日銀が買いオペを通知した後は151円90銭まで上昇。午後は上値が重くなり、6銭高の151円87銭で引けた。

長国先物の日中取引推移

  三菱UFJ信託銀行資金為替部商品課の鈴木秀雄課長は、「米大統領選をめぐる不透明感、円高や株安もあるが、動意そのものは乏しい状態」と話した。超長期債については「日銀の買い入れオペで同ゾーンの減額がなかったことや、日銀の黒田東彦総裁が会見で現状の超長期債の利回り水準について現状レベルを追認したことで、しっかりとなった流れが続いている」と説明した。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の344回債利回りは、日本相互証券が公表した前営業日午後3時時点の参照値と横ばいのマイナス0.065%で開始し、その後も同水準で推移した。新発20年物の158回債利回りは0.5ベーシスポイント(bp)低い0.355%で開始後、0.365%まで売られている。新発30年物の52回債利回りは1bp低い0.475%を付けた後、0.485%に戻した。新発40年物の9回債利回りは1bp低い0.565%で開始後、0.575%で取引されている。

  みずほ証券の山内聡史マーケットアナリストは、「朝方の債券相場はオペ期待などもあって買いが先行してスタート。超長期ゾーンなどがしっかり」と指摘。ただ、「こうした地合いがいつまで続くかどうか。オペ減額の思惑もあって上値は追いかけにくい。来週には10年債や30年債の入札を控えていることも相場の重しになるだろう」と話していた。

  日銀が実施した今月1回目の長期国債買い入れオペ結果によると、残存期間「5年超10年以下」の応札倍率が前回から低下した一方、「10年超25年以下」と「25年超」は上昇した。

  「5年超10年以下」の買い入れ額が4100億円、「10年超25年以下」は1900億円、「25年超」は1100億円と、いずれも前回と同額だった。日銀が1日発表した当面の国債買い入れ運営方針では、全年限とも10月から変更がなかった。

日銀の長期国債買い入れオペ結果はこちらをご覧下さい。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、「日銀が10月からの買い入れ減額を決めた9月30日終盤のレベルの0.35%近傍に近付いた」と言い、「月中のオペ再減額が焦点になってくる」とみている。

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NFL・アメリカプロフットボールの試合観戦にトランプ氏とクリントン氏の面を付けて応援する人たち

Norm Hall/Getty Images

米株続落

  3日の米株式相場は続落。S&P500種株価指数は前日比0.4%安の2088.66で引け、8営業日続落と2008年以降で最長の連続安となった。

  この日の東京株式相場は続落。日経平均株価は前日比1.3%安の1万6905円36銭で引けた。一時は下げ幅が300円を超す場面があった。

  米大統領選の投票日を5日後に控えた3日、複数の世論調査の結果が公表され、民主党候補ヒラリー・クリントン氏が共和党候補ドナルド・トランプ氏をわずかながらリードしていることが明らかになった。 

  三菱UFJ信託銀の鈴木氏は、来週の相場についても「全体的には米大統領選挙をめぐる不透明感からリスクオフ気味に債券が買われやすい局面はありそうだ」と指摘。ただ、「日銀の金利コントロール政策の中で海外要因に対して感応度が落ちていることもあり、円債そのものの動きは限定的になりそう」だと述べた。

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