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ドル・円が一時8営業日ぶり安値、米大統領選の不透明感でリスク回避

更新日時
  • 104円17銭から103円63銭までドル安・円高進行、10月21日以来の水準
  • トランプリスクをあらためて意識せざるを得ない-外為どっとコム

2日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が下落。来週8日の米大統領選挙に対する不透明感を背景に、株安を伴うリスク回避の動きが強まった。共和党候補のトランプ氏に対する支持率が高まっているとの報道を受け、同氏から不法移民問題が指摘されているメキシコのペソも続落した。

  午後3時6分現在のドル・円は前日比0.4%安の103円78銭。一時は103円63銭と、10月21日以来のドル安・円高水準を付けた。

  外為どっとコム総研の神田卓也取締役調査部長は、「トランプリスクをあらためて意識せざるを得なくなってきた。ドル・円は105円台の上値の重さが意識されていたところなので調整が少し大きくなっている」と説明。もっとも、「米大統領選は選挙人制度で、選挙人獲得予想はクリントン氏が圧倒的に有利。テールリスクとしては意識するが高いリスクとは考えておらず、マーケットも微妙な反応だ」と語った。

ドル・円相場の推移

  ABCニュースとワシントン・ポスト紙が投票に行く見込みの有権者を対象に実施した調査によると、共和党候補トランプ氏に対する支持が46%で、民主党候補クリントン氏の45%を上回った。

  三井住友銀行の山下えつ子チーフエコノミスト(ニューヨーク在勤)は、「いくつかの世論調査もトランプが上回っていたり、州ごとの世論調査でもトランプが勝つかもしれないというところが出てきている」と分析。「先週クリントン確実で動いた相場のやや慎重な巻き戻しに、トランプリスクの警戒感が入った少しリスクオフのような相場も加わっている」と述べた。

Trump and Clinton Target the Undecided in Last Push

クリントン候補とトランプ候補

Bloomberg

  1日の米国市場では、S&P500種株価指数が7月以来の安値を付けた一方、金相場は1%余り上昇。為替市場ではドルがスイスフランや円に対して下落。メキシコペソは対ドルで一時1ドル=19.2679ペソと10月7日以来の安値を付けた。ペソは2日も一時19.3444ペソまで売られ、主要31通貨のうち30通貨に対して前日終値を下回っている。

  2日の東京株式市場では、日経平均株価が大幅反落。一時は前日比361円81銭(2.1%)安の1万7080円59銭まで下げた。

  IG証券の石川順一シニアFXストラテジストは、「米利上げリスクに加えて、トランプリスクが新たな要因となって、ドル・円は下値を試す展開」と指摘。テクニカル分析の観点からは、「次は103円50銭が攻防の分岐点。この水準を維持できれは調整終了だが、下方ブレークすれば103円が次の焦点となる」とみている。

  米連邦公開市場委員会(FOMC)は2日に金融政策を決定し、声明文を発表する。市場では政策金利の据え置き予想が大勢となっており、声明文の中に12月の利上げに向けた示唆が入るのかに注目が集まっている。米金利先物動向に基づき算出した11月会合での利上げ予想確率は1日時点で約16%。年内では68%程度となっている。
  
  外為どっとコム総研の神田氏は、「FOMCは声明で次回利上げの示唆があるかどうかの1点に集中している。あればドル買い、なければドル売り」と予想。「政治は金融政策の決定要因ではないというのがFOMCの立場。利上げを示唆し、その後の環境によっては止めるというのもあるのではないか。103円50銭付近は堅そうで、利上げ先送りムードが出ない限り大丈夫。105円台に戻すのは難しく、104円70銭付近が上値のめど」と語った。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.1%高の1ユーロ=1.1069ドル。一時1.1075ドルと10月11日以来のユーロ高・ドル安水準を付けた。

  IG証の石川氏は、「目先はショートカバーが入り、ユーロは反転基調が続いている」と指摘。「ドル安継続で目先、ユーロ・ドルは上値を目指すとみている。トランプリスクが台頭してドル売りに加え、米独の金利差が縮小していることを背景に、ユーロ買いの動きもある。ECBの緩和縮小を意識しているのだろう。これが反転する材料としては米雇用統計か」と述べた。

  ブルームバーグ予測調査によると、4日に発表される10月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比17万5000人増加が見込まれている。9月は15万6000人増加だった。

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