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債券上昇、米大統領選不透明感で株安-超長期オペ減額なくフラット化

更新日時
  • 新発10年債利回り一時マイナス0.065%と1週間ぶり低水準
  • 万が一への用意必要だが、確率は非常に低い-損保ジャパン日本興亜

債券相場は上昇。米大統領選挙をめぐる不透明感を背景に日本株相場が大幅安となり、買いが優勢となった。日本銀行が前日発表した当面の国債買い入れオペの運営方針では、一部で警戒されていた超長期債の減額がなかったことを受けて、利回り曲線にはフラット(平たん)化圧力が掛かった。

  2日の長期国債先物市場で中心限月12月物は、前日比8銭高の151円79銭で開始。午前にはいったん151円77銭まで伸び悩む場面もあったが、午後は再び買いが優勢となり、一時13銭高の151円84銭まで上昇。結局は10銭高の151円81銭で引けた。

長国先物の日中取引推移

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の344回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)低いマイナス0.06%で始まり、午後はマイナス0.065%と10月26日以来の水準まで下げた。新発20年物の158回債利回りは一時2bp低い0.355%、新発30年物の52回債利回りは一時3bp低い0.475%と、ともに10月26日以来の水準に低下した。

  損害保険ジャパン日本興亜の石崎竜也グループリーダーは、「海外の金利上昇に一服感が出始めている」とした上で、「トランプ米大統領候補の支持率上昇という報道から少しリスクを意識した動き」と指摘。「クリントン氏の勝利が市場のコンセンサス」と言い、「万が一ということには用意が必要だが、確率としては非常に低い」とみる。

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トランプ氏

Chip Somodevilla/Getty Images

  1日の米株式相場は大統領選の不透明感などを背景に下落。S&P500種株価指数の下落率は前日比0.7%安と、10月11日以来最大となった。一方、米債相場は連邦公開市場委員会(FOMC)や大統領選を控えて逃避需要が強まり、下げ幅を縮小する展開。10年債利回りは一時5月31日以来の高水準となる1.88%まで上昇した後、ほぼ変わらずの1.83%程度で引けた。

  この日の東京株式相場は大幅安。日経平均株価は前日終値からの下げ幅が300円を超えて取引を終了した。

米大統領候補の支持率に関する記事はこちらをご覧ください。

  日銀は1日、当面の長期国債等買い入れの運営について、2日以降の各年限の最初のオファー額などを発表した。全年限とも前回から金額の変更はなかった。市場では黒田東彦総裁が10月27日に国会答弁で超長期金利に言及したことを受けて、超長期ゾーンの買い入れが減額されることへの警戒感が出ていた。

  みずほ証券の山内聡史マーケットアナリストは、11月初回の日銀国債買い入れオペのオファー額は前回から据え置きとなったが、一部の市場参加者は超長期ゾーンの減額を予想していたとみられ、イブニング取引では超長期ゾーンは買いが優勢だったと説明。「こうした修正の動きに加えて、米国債が底堅い展開になったため、朝方の円債相場はしっかり。国内株安もあって、素直な流れ」と述べた。

  財務省が午後発表した残存期間1年超から5年以下を対象とした流動性供給入札の結果は、募入最大利回り較差がマイナス0.013%、募入平均利回り較差はマイナス0.016%となった。投資家需要の強弱を示す応札倍率は4.95倍と、同年限を対象にした前回の入札から上昇した。

  損保ジャパン日本興亜の石崎氏は、「流動性供給入札の影響は限定的」と指摘。来週からは「長いところの入札が始まってくる」とし、「超長期についてはスティープ化方向の警戒が必要」とみる。

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