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海運3社:超大型化するコンテナ船海運業界の荒海、統合で乗り切りへ

  • 海運3社のコンテナ船事業統合で世界6位の新会社誕生へ
  • 超大型船への過剰投資が負担、コンテナ船海運業界は低迷

エンパイアステートビルの高さを超えるものもある超大型コンテナ船が運航する現代の海運業界では、規模が物を言う。

  それは、海運会社についても言えることだ。海運会社は今、ハリケーン級の運賃下落や大幅な輸送能力過剰に見舞われ、業界では防衛的合併が相次いでいる。

  そして10月31日には日本郵船、商船三井、川崎汽船の3社がコンテナ船事業の統合を発表。市場シェアの7%を占める世界6位のコンテナ船運航会社が誕生する見通しとなった。共同資料によると、来年統合が完了すれば、新会社の売上高は約2兆円に達し、アジアでは中国遠洋運輸に次ぐ規模となる。

  商業海運業界は、2008-09年の金融危機後の貿易量の方向性予測を誤ったことで大きな代償を払っている。船主企業は世界経済が急速に回復すると予想し、より大型の船舶の発注を増やし続けた。しかし、ドルーリー・フィナンシャル・リサーチ・サービシズのディレクター、ラフル・カプア氏によれば、14年ごろから「海運会社幹部らは、5-7%の伸びを示すと当然視していた世界の貿易量の伸びが1桁台前半にとどまっていることに気付いた」

  世界の経済成長低迷とコンテナ船の供給過剰により、運賃は10年後半以降低下。コンテナ船海運業界は4年連続で損失を計上することとなった。

コンテナ運賃

  日本の海運会社のコンテナ船事業統合は事実上防衛的なものだが、大幅なコスト削減効果をもたらす可能性がある。デンマークの APモラー・マースクの元幹部でCTIコンサルタンシーのパートナー、アンディ・レーン氏は統合について「非常に理にかなっている」と指摘。「潜在的なコスト削減効果は年間少なくとも数千万ドルに上る可能性があり、事務管理部門の統合とネットワークの最適化の結果次第では数億ドルにもなり得る」と語る。

  フランスのCMA・CGMによるシンガポールのネプチューン・オリエント・ラインズ買収など国境を越えた統合の例もあるが、日本の海運会社は企業文化が異なる外国企業との統合の難しさを懸念した可能性があると、レーン氏は指摘する。「文化と背景が似ている日本の海運会社3社が統合を決定したことで物事がずっと容易に進むだろう」と述べた。

  IHSマークイットの海運アナリスト、グレッグ・ノーラー氏は顧客向け文書で、業界では台湾に潜在的な買収の標的があると指摘する。大手の長栄海運、陽明海運、万海航運が台湾を拠点としている。

  同氏は「規模の探求に加え、軟調な需要と過剰輸送能力は少なくともさらに2年間続くと予想され、定期船海運業界には今年、統合の波が押し寄せるだろう」との見通しを示した。
  
原題:Japan Seeks Shelter From Riptides of a Supersized Ship Industry(抜粋)

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