1日の東京株式相場は小幅高。日本銀行が金融政策の現状維持を決め、目先の不透明材料を通過した午後にプラス圏へ浮上した。午前の株安を受け、日銀の上場投資信託(ETF)買いに対する期待もあった。不動産や電力など内需株が上げ、今期利益計画を上方修正したキリンホールディングスも高い。

  半面、海外原油市況の続落を嫌気し、石油や鉱業、海運株など資源関連セクターは下落。化学や繊維など素材株、時価総額上位の輸出株の中ではパナソニックや村田製作所、ファナックの下げが目立ち、相場全般の上値を抑えた。

  TOPIXの終値は前日比0.17ポイント(0.01%)高の1393.19、日経平均株価は17円38銭(0.1%)高の1万7442円40銭。

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Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  ベイビュー・アセット・マネジメントの佐久間康郎執行役員は、「下値では公的資金の買いがあり、比較的底堅いが、買い上がる材料やエネルギーがない」と指摘。日銀については「前回会合後、追加緩和期待は完全になくなっている。名実ともに金融政策に頼れないため、材料視されていない」と話した。

  きょうの日本株は、日経平均が午前に85円安まで売られた後に下げ渋り、午後はプラス圏に浮上する展開となった。日銀はこの日開いた金融政策決定会合で、9月に導入した長短金利操作付き量的・質的緩和の枠組みによる金融調節方針を据え置いた。従来は2017年度中としていた2%の物価目標の達成時期に関しては、「18年度ごろ」に先送りした。

  東洋証券の檜和田浩昭シニアストラテジストは、「金融政策の変更なしはコンセンサスだったため、少なくとも円高・株安リスクは小さい」と言う。きょうのドル・円相場は、午前に一時1ドル=104円60銭台へ円が強含む場面があったが、午後は104円97円銭まで弱含み、午後2時以降は同80銭台で推移。前日の日本株終値時点104円75銭に比べると、おおむね横ばいだった。

  このほか、岩井コスモ証券投資調査部の堀内敏一課長は、「日本株は下がればETF買いの期待もあり、押し目買いが入りやすい」との認識も示した。日銀は10月31日の取引で、通常枠のETF707億円を買い入れている。また、中国国家統計局が1日午前発表した10月の製造業購買担当者指数(PMI)が51.2に上昇、予想中央値の50.3を上回ったことも日本株が下げ渋る要因の1つになった。

  一方、相場全体の重しとなったのは原油安。前日のニューヨーク原油先物は3.8%安の1バレル=46.86ドルと続落し、1カ月ぶりの安値を付けた。国内主要企業の決算発表で、時価総額の大きい輸出セクターで失望が相次いだ点も株価指数の押し下げ要因。17年3月期営業利益計画を従来比21%下方修正したパナソニックについて、みずほ証券は修正後の計画2450億円は想定を大きく下回り、ネガティブサプライズとした。17年3月期営業利益見通しを上方修正したものの、市場予想を下回ったファナックも下落。野村証券では高採算のNC装置とロボマシンの回復が鈍いと指摘した。通期利益計画を下方修正した村田製作所も売られた。

  ベイビューの佐久間氏は、第2四半期の企業決算は「何らかの買い上がる材料が出ることを期待していた投資家も多かった。底入れ機運は出ているが、来年度にかけ、収益で買い材料があるかも見えていない」と言う。東証1部の売買高は19億602万株、売買代金は2兆1095億円。上昇銘柄数は916、下落は911。

  • 東証1部33業種は電気・ガス、空運、不動産、保険、金属製品、精密機器、食料品、建設、小売など19業種が上昇。海運や石油・石炭製品、鉱業、電機、化学、繊維、鉄鋼、医薬品など14業種は下落。

  • 売買代金上位ではホンダや三井化学、ディー・エヌ・エー、第2四半期が営業減益だったコーセーが売られた。半面、東京エレクトロンや三菱商事、三菱電機、キリンHD、東京電力ホールディングス、自社株買いの日本航空は高い。この日1部市場に新規株式公開し、「マウジー」ブランドなど女性向け衣料・雑貨を展開するバロックジャパンリミテッドの初値は公開価格割れ。 
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