債券市場では長期金利が小幅上昇した。日本銀行がこの日の夕方に発表する当面の長期国債買い入れオペ運営方針で、超長期債などが減額されるとの観測が根強く、午後に期間の長いゾーンを中心に軟化した。

  1日の長期国債先物市場で中心限月12月物は、前日比1銭高の151円72銭で開始し、徐々に水準を切り上げ、151円77銭まで上昇した。日銀会合結果を受けた午後の取引開始後に売りが優勢となり、5銭安まで下落したが、引けにかけて持ち直し、変わらずの151円71銭で引けた。

  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、当面の長期国債等買い入れの運営について、「これ以上国債保有を増やしたくないというのが日銀の本音、市場が落ち着いているので減らしたいと思っている」と指摘。一方、「市場の見方は減額と据え置きで五分五分、どちらかにベットするとすれば減額」と言い、「ここから積極的には売らないが、ややショートでもいい、買われたら売っていくという展開」と述べた。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の344回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値と横ばいのマイナス0.055%で開始し、その後は0.5ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.05%を付けている。新発20年物の158回債利回りは0.5bp低い0.37%で開始後、0.375%にやや売られた。新発30年物の52回債利回りは0.5bp低い0.50%で始まり、その後0.505%を付けた。

  SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジストは、「日銀会合については債券市場はほぼ反応なし。今回、量のめどとなる年間買い入れ額の80兆円を外す、もしくは減額してくる可能性もあったと思うが、そこは据え置いた」と指摘。ただ、「来年には70兆円程度まで縮小していく可能性がある中で、12月の会合にもめどそのものを外してしまうか、75兆円程度に減額する可能性はまだあるだろう」と話した。

  日銀は1日の金融政策決定会合で、9月に導入した長短金利操作付き量的・質的緩和の枠組みによる金融調節方針の維持を決定した。従来2017年度中としていた2%の物価目標の達成時期については、18年度ごろに先送りした。会合後公表した経済・物価情勢の展望(展望リポート)によると、17年度の消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)の上昇率見通し(政策委員の中央値)は1.5%と、前回7月の見通し1.7%から下方修正、18年度の見通しも1.9%から1.7%に引き下げた。

  SMBCフレンド証券の岩下真理チーフマーケットエコノミストは、「長期を想定した新しい枠組みのオーバーシュート型コミットメントはかなり強力な緩和宣言なので、簡単に変されることはなく、事前の期待もなかった。良い意味で日銀会合が注目されなくなった」と分析。「マーケットから注目をそらし、余計な為替変動リスクを軽減できたことは評価できる。2017年度の物価見通しがまだ高めなのは、来年の春闘に働き掛ける意図がありそうだ。それが終われば大きく下げる可能性がある」と述べた。

長期国債買い入れ運営方針

日本銀行
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Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  この日の午後5時に日銀が当面の長期国債等の買い入れ運営方針を発表する。9月30日に発表された前回の同方針では、10月初回オペでの買い入れ額は残存10年超25年以下が1900億円、25年超が1100億円と、いずれも前回から100億円減額された。

  SMBC日興証の竹山氏は、「黒田総裁の発言などから日銀は超長期がスティープして良いと思っているようだ」と指摘。「25年超については9月末に100億円減額して以降、金利は上昇し、オペの応札倍率も上がっており、無理に減額する必要はない感じになっている。減額があるとしたら10年超25年以下のところになるだろう」と言う。「あまり減額し過ぎると、今度は量のめどの維持の可否にかかってくる部分もある。今回は国債買い入れ額の現状据え置き、小幅減額の両方の可能性がある」と話した。

黒田日銀総裁の国会での発言はこちらをご覧下さい。

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