習氏の「核心」格上げは危機感の表れか-課題克服に向け試される中国

  • 景気減速や環境汚染など中国国民の懸念材料が習氏の双肩にかかる
  • 危機的局面には強力なリーダーシップが必要、今がその時-ミラー氏

27日閉幕した中国共産党の中央委員会第6回総会(6中総会)で習近平総書記(国家主席)が党の「核心」に位置付けられ、正式にここ数十年で最も強い権力を持つ指導者になった。今後は課題克服に向けた実行力が試される。

  習氏は公式に共産党の核心となり、胡錦濤前総書記を上回る地位を得たが、こうした立場は中国と自身の命運がより密接に関係することにもなる。景気減速や深刻な環境汚染、不動産価格の高騰、複雑化する国際情勢など、約14億人に上る中国国民の懸念材料が習氏の双肩にこれまで以上にかかってくる。

  米ブルッキングス研究所ジョン・L・ソーントン中国センターの李成ディレクターは、「権力を掌握したければ、これはどうしても付いてくる問題だ」と指摘。「習氏が得た一連の地位を踏まえると、状況が悪くなってもその責任を他人に負わせることはできない」と話した。

  核心への格上げにより、習氏が来年予定される最高指導部の入れ替えで後継候補を絞り込むか、あるいは最近取り沙汰されている2022年の任期切れ後も権力を一部保持するのかに関し、同氏が主導権を握る余地が大きくなっている。

  だが、今回の格上げは毛沢東氏の個人崇拝を繰り返さぬよう集団指導体制を30年余り続けてきた共産党が直面する課題も示している。スタンフォード大学フーバー研究所のリサーチフェロー、アリス・ミラー氏は、江沢民氏が党の核心とされた1989年は政治危機のさなかにあったと指摘した上で、今回の動きは共産党指導部が社会・経済面の課題をいかに懸念しているかを示唆していると話す。

  中国の権力継承に関する慣行を研究しているミラー氏は、「共産党が置かれている状況の危険性と党の存続に極めて重要と考えられる『包括的な改革』の推進に向けた取り組みを急ぐ必要性」が浮き彫りになっていると分析。「危機的な局面には強力なリーダーシップが必要で、今がその時だ」と語った。

原題:Xi’s Power a Double-Edged Sword as Pressure Grows to Deliver (1)(抜粋)

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