米銀の政府関連債投資に衰え見えず、保有額2.4兆ドルに到達

  • 米銀は融資増やす代わりに急ピッチで米国債・政府関連債に投資
  • 規制強化や精彩を欠く米経済成長で融資鈍る

米経済が本当に上向きであるのならなぜ、米国の銀行は超安全な債券を記録的な規模で蓄積しているのだろうか。

  雇用は回復し、米連邦準備制度は追加利上げに近づいており、経済成長は緩慢だった年前半から持ち直している。しかし、銀行は預金の伸びに応じて融資を増やす代わりに、2014年以降最も急ピッチに米国債や政府関連債への投資を進めている。

  この疑問の簡単な答えはもちろん、金融危機後の規制に関係する、というものだ。この規制は金融機関のリスクテーク抑制を狙ったもので、銀行はより質の高い資産の保有を増やすことを強いられている。しかし、いろいろな意味で、米国債保有の積み上がりは心配な兆候を映し出している。大規模と中規模の銀行の融資当局者は過去1年に企業向け融資を09年以降で最も引き締めた。米国民はさらに借金をするよりも貯蓄に励んでおり、新規融資需要は鈍っている。

  これが上向きの経済指標から示されるよりも早期に米経済が7年にわたる成長局面の終わりを迎える可能性を意味するのかどうか分からない。だがこうした債券需要は、月間ベースで2010年以降で最大の下落に見舞われた投資家には歓迎されるニュースだ。

  地方銀行に助言を行うベーカー・グループ(オクラホマシティー)のジェフ・コーロン氏は「景気サイクルが進む中で、銀行が引き続き米国債を購入している」と述べ、一方で「良好な融資案件は減っている」と指摘した。こうした状況は利上げや海外勢の需要鈍化の中で米国債利回り上昇の抑制につながる可能性がある。

  米10年債利回りは7月に史上最低の1.318%を付けた後、約0.5ポイント上昇した。先週は1.85%で終了。

  米連邦準備制度理事会(FRB)の集計データによれば、米国の商業銀行は連邦政府機関のモーゲージ債以外の債券と米国債を今年だけで900億ドル(約9兆4400億円)相当買い集め、総額は7540億ドルに上った。連邦政府保証付きのモーゲージ担保証券(MBS)を含めると、銀行の政府関連債保有額は2兆4000億ドルに達し、FRBが1973年に集計を開始して以降で最大となる。

原題:Banks Amass $2.4 Trillion Hoard of Bonds as BofA Leads Stampede(抜粋)

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