日経平均が小幅反落、米大統領選が不透明-ガイシや鉱業、内需下げる

更新日時
  • FBIはメール問題で民主党のクリントン候補を再捜査
  • 事業統合の海運は買われる、米統計堅調や円高限定も下支え

31日の東京株式相場は、日経平均株価が小幅に反落。米国大統領選の不透明感が広がる中、業績下方修正の日本ガイシが急落した影響でガラス・土石製品株が売られ、海外原油市況の下落を受けた鉱業株、ゴム製品株も安い。医薬品や小売株など内需セクターも下げた。

  半面、大手3社がコンテナ事業の統合を発表した海運株が急伸。保険や証券、銀行など金融株、電機や輸送用機器など輸出株の一角も堅調で、相場全般を下支えした。

  TOPIXの終値は前週末比0.61ポイント(0.04%)高の1393.02、日経平均株価は21円39銭(0.1%)安の1万7425円2銭。

  レオス・キャピタルワークスの渡邉庄太ファンドマネジャーは、「米大統領選はふたを開けてみないと分からない。メール問題再燃でポジションを閉じておこうという動きにつながった可能性はある」と話した。現時点でのメーンシナリオは民主党候補のクリントン氏勝利だが、「3-4割は共和党のトランプ候補勝利のリスクに備えておくことも重要だ」と言う。

東証外観

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  米大統領選のクリントン候補が私的な電子メール・サーバーを使っていた問題をめぐり、米連邦捜査局(FBI)は28日、調査を再開。同日の米国株は続落し、ニューヨーク原油先物は2.1%安と反落、アジア時間31日の時間外取引でも下げた。

  30日に発表されたABC・ワシントンポスト調査によれば、支持率はクリントン氏が46%、共和党候補ドナルド・トランプ氏は45%。1週間前の同じ調査ではクリントン氏が12ポイントリードしていた。

  週明けの日本株は米国情勢を嫌気する格好で安く始まり、日経平均は午前の取引で一時118円安まで売られた後、午後にかけては下げ渋った。きょうのドル・円相場は、早朝は1ドル=104円40銭台と前週末の日本株終値時点105円32銭から1円近くドル安・円高方向に振れたが、その後の円高の動きは限定的、午後は104円台後半で推移した。米国のマクロ経済統計は堅調で、年内の米利上げ観測はなお根強い。また、松井証券の田村晋一ストラテジストは、「日本銀行のETF買い期待もあり、売る人は多くない」としていた。

  米商務省が28日に発表した第3四半期の国内総生産(GDP)速報値は、年率換算で前期比2.9%増とここ2年で最大の伸びとなり、市場予想の中央値2.6%増を上回った。また、民主党のリード上院院内総務は、期日前投票が既に始まったタイミングでFBIが公表したことについて、コミーFBI長官が法に違反した恐れがあると書簡で主張。シカゴ24時間電子取引システム(GLOBEX)のS&P500種株価指数先物は、プラス圏に転じた。

  海外株に対し、日本株のバリュエーションの低さも売り圧力が限られている要因の1つだ。ブルームバーグ・データによると、ことしの予想PERは東証1部が14.5倍に対し、米S&P500種は
17.9倍。プリンシパル・グローバル・インベスターズのファンドマネジャー、ビナイ・チャンゴシア氏(香港在勤)は日本株に対する中立姿勢を維持、「日本株は期待がとても低かったので割安。ドル高が進み、経済成長で売買が活発になれば、日本株は良い方向にいく」と言う。東証1部の売買高は22億4263万株、売買代金は2兆3299億円。上昇銘柄数は866、下落は981。

  • 東証1部33業種はゴム製品、鉱業、医薬品、ガラス・土石製品、倉庫・運輸、小売、陸運、石油・石炭製品など19業種が下落。海運や金属製品、保険、空運、電機、証券・商品先物取引、輸送用機器、銀行など14業種は上昇。

  • 売買代金上位では、2017年3月期の営業利益計画を下方修正し、みずほ証券が投資判断を下げたアルプス電気が売られ、今期営業利益計画を従来比1割減額したガイシは大きく下げた。武田薬品工業や三菱重工業、ブリヂストン、住友化学、JR西日本、TISも安い。これに対し、コンテナ船事業を統合する日本郵船、商船三井は急伸。業績計画を引き上げた東京エレクトロン、自社株買いの大和証券グループ本社も高く、日立製作所やSUMCO、信越化学工業、SCREENホールディングス、日本特殊陶業も買われた。
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