債券上昇、米大統領選めぐる不透明感で-日銀オペ減額に警戒くすぶる

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  • 新発20年債利回り0.38%、新発30年債利回り一時0.50%に低下
  • 18年から20年ゾーン、ロールダウン効果で買い圧力-SBI証

債券相場は上昇。米大統領選をめぐる不透明感を背景に前週末の米国債相場が上昇した流れを引き継いだことに加え、日本銀行が実施した国債買い入れが相場の支えとなった。一方、当面の長期国債買い入れ運営方針の発表を翌日に控える中、超長期債ゾーンの購入額が減額されることへの警戒感が重しとなった。

  31日の長期国債先物市場で中心限月12月物は、前週末比3銭高の151円67銭で開始した。日銀が午前の金融調節で国債買い入れオペを通知すると、一時9銭高の151円73銭まで上伸した。午後に入ると3銭高まで伸び悩む場面も見られたが、結局は7銭高の151円71銭で引けた。

  SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジストは、クリントン米大統領候補の件もあって、「いったん海外で金利上昇・株高の流れに一服感がある」とし、「10年超のオペも入った」と指摘した。「日銀の政策は基本的にイールドカーブがあまり動かないようにしている」と言い、「カーブがそんなに動かないのであれば、何もなければ18年から20年くらいのゾーンはロールダウン効果で買われてしまう」とみる。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の344回債利回りは、日本相互証券が公表した前週末午後3時時点の参照値と横ばいのマイナス0.05%で開始し、その後0.5ベーシスポイント(bp)低いマイナス0.055%を付けている。前週末は一時マイナス0.045%と9月23日以来の高水準を付けた。新発20年物の158回債利回りは0.5bp低い0.38%まで買われた後、0.385%まで戻した。新発30年物の52回債利回りは1.5bp低い0.50%を付けた後、0.51%まで売られる場面があった。

28日の米国債市場についてはこちらをご覧ください。

日銀のオペ運営方針に警戒感

  日銀が実施した長期国債買い入れオペの結果によると、応札倍率は残存期間「3年超5年以下」が2.09倍と、前回から低下。一方、「1年超3年以下」が2.72倍、「10年超25年以下」が3.62倍、「25年超」が3.06倍と、それぞれ前回を上回った。

  日銀はこの日から2日間の日程で金融政策決定会合を開く。ブルームバーグがエコノミスト43人を対象に21-25日に実施した調査によると、今回会合での追加緩和予想は2人(5%)にとどまった。

  11月1日には日銀が当面の長期国債等の買い入れ方針を発表する。9月30日に発表された同方針では、初回のオファー額が、残存10年超25年以下が1900億円、25年超が1100億円と、いずれも前回から100億円減額された。

  黒田東彦総裁は27日の参院財政金融委員会で、超長期の金利が現在よりも多少上昇してもおかしくはなく、直ちに引き下げに動く必要性もないとの考えを示した。これを受けて、超長期債が売られ、28日には新発30年物52回債利回りは0.52%と12日以来、新発40年物の9回債利回りは0.60%と11日以来の高水準を付けた。

日本銀行

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  三菱UFJ信託銀行資金為替部商品課の鈴木秀雄課長は、「黒田総裁の超長期債へのスタンスを見ると、現状でマーケットが意識している20年債で0.4%、30年債で0.5%より、20年債で少なくとも0.4%以上、30年債で0.55%あたりがめどなのかもしれない」と指摘。一方、「ボラティリティが低下するとどうしてもキャリー狙いで20年債や30年債に資金が向かいやすく、金利低下圧力がかかる。その意味で、金利が低下する芽を摘んでおきたいというのもあるかもしれない」と述べた。

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、日銀の国債買い入れ運営方針では、「黒田総裁の発言を受けて減額が市場のコンセンサスになっている」とし、「目先は方向性に不透明感がくすぶることから、上値を追いにくい面もある」と話した。

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