10月28日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル下落-クリントン氏のメール問題の調査再開

  28日のニューヨーク外国為替市場ではドルが下落。米連邦捜査局(FBI)が、大統領選の民主党候補ヒラリー・クリントン氏が国務長官時代に私的な電子メール・サーバーを使っていた問題をめぐる調査を再開すると発表したことを受け、年内利上げ確率が低下したことが手掛かり。

  ドルは主要通貨の大半に対して値下がり。フェデラルファンド(FF)先物のデータによると、12月までの利上げ確率は69%と、この日の早い段階での74%から低下。ドルは週間ベースでは上昇し、これで4週続伸となった。

  大統領選の投票日まで2週間を切った段階で新たな局面を迎え、ドルはユーロと円に対する下げを拡大した。ドルはメキシコ・ペソに対しては上昇。ペソは米大統領選をめぐる投資家の不安を映す指標とされており、共和党候補ドナルド・トランプ氏の勢いが強まると下落している。

  CIBCワールド・マーケッツの外為・マクロ担当シニアストラテジスト、バイパン・ライ氏(トロント在勤)は「大統領選の投票日に向けてこの件がドルに重しとなる可能性はあるが、実際にそうなるかはFBIの今後の発表次第だろう」とした上で、「ただ少なくとも、いったんは材料視されなくなった政治リスクという要素が再び考慮に入れられることにはなる」と述べた。

  ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.3%低下。週間では0.1%上昇だった。

  ドルは対円で0.5%安の1ドル=104円74銭。

  朝方発表された第3四半期の米実質国内総生産(GDP)は、前期を上回った。これを手掛かりにドルは一時上昇していた。

  米商務省が28日発表した第3四半期の実質GDP(季節調整済み、年率)速報値は前期比2.9%増。ブルームバーグがまとめた市場予想の中央値は2.6%増だった。前期は1.4%増。

  FBIのコミー長官は議会の各委員長8人に宛てた書簡で、調査にどの程度時間がかかるかは分からないとし、クリントン氏としては新たな調査の結果が出ないまま大統領選の投票日を迎える可能性が出てきた。

  バンク・オブ・ノバスコシアのチーフ為替ストラテジスト、ショーン・オズボーン氏は「市場では、これがリスクバランスを再びトランプ氏有利の方向に傾けるとの懸念が広がるだろう」と分析。「これがトランプ氏の勝利を意味するとは市場は必ずしも捉えないだろうが、不透明感の度合いは大きく強まる」と続けた。
原題:Dollar Drops as Fed Rate-Hike Odds Fall on Clinton E-Mail Probe(抜粋)

◎米国株:続落、FBIがクリントン氏メール問題の調査再開

  28日の米国株式相場は続落。S&P500種株価指数は6週間ぶりの安値となった。クリントン民主党大統領候補が国務長官時代に私的な電子メール・サーバーを使っていた問題をめぐり、米連邦捜査局(FBI)が調査を再開したと伝わったことが響いた。

  FBIの調査再開のニュースが伝わると、株価は日中の高値圏から一気に下げに転じた。これより先には、米実質国内総生産(GDP)統計を受けて、堅調な経済を背景に企業利益が押し上げられるとの観測が広がり、株価は上昇していた。アルファベットやシェブロンは値上がりした一方、医薬品株は売られた。

  S&P500種株価指数は0.3%安の2126.41で終了。一時は0.4%上昇していた。下げ幅は0.6%に拡大する場面もあった。ダウ工業株30種平均は8.49ドル(0.1%)安い18161.19ドル。一時は0.5%値上がりしていた。ナスダック総合指数は0.5%下落。

  ロバート・W・ベアードの機関投資家担当株式セールストレーダーでマネジングディレクターのマイケル・アントネッリ氏は、「クリントン氏の勝利が疑いもなく織り込まれていた。予想が狂うと、市場は拒否反応を示す」と指摘。「マーケットは新たな不確実性を再び織り込まなくてはならず、今は山盛りの不確実性と向き合っている。確率や考え方を変える必要がある」と述べた。

  コミーFBI長官は議会の各委員長8人に宛てた書簡で、「FBIは別件に絡み、以前の調査に関連すると思われる電子メールの存在を把握した」と記述。「調査官が一連の電子メールを調査し、その中に機密情報が含まれていたかどうか見極めることできるよう、FBIは適切な調査措置を踏む必要があるとの見解に同意した」と説明した。

  株式市場ではクリントン氏勝利の見方が広がっていた。最新のリアルクリア・ポリティクスの世論調査では同氏が約5ポイントリードしている。

  12月の米利上げ確率は70%に低下。クリントン氏のニュースが伝わる前は74%だった。来週の会合での利上げ確率は20%未満となっている。

  第3四半期の米実質国内総生産(GDP)成長率は前期を上回った。在庫の伸びや大豆の輸出増加が反映された。一方で個人消費は減速した。10月の米消費者マインド指数(確定値)は速報値から下方修正され、2014年以来の低水準に並んだ。

  ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズで米仲介事業の最高投資ストラテジストを務めるマイケル・アローン氏(ボストン在勤)は、「さらなる景気加速が確認された。12月の利上げに向け米金融当局に一段の自信を与えるだろう」と述べた。

  決算で動いた個別銘柄では、アッヴィが6.3%安。利益はアナリスト予想をわずかに上回ったものの、主力のリウマチ治療薬「ヒュミラ」の売上高は予想に届かなかった。

  一方、マスターカードは3.2%高となり、最高値をつけた。利益と収入が市場予想を上回った。
原題:U.S. Stocks Decline After FBI Reopens Probe Into Clinton E-Mails(抜粋)

◎米国債:2年債上昇、クリントン氏のメール調査再開で

  28日の米国債は2年債が上昇。米連邦捜査局(FBI)がクリントン民主党大統領候補が国務長官時代に私的な電子メール・サーバーを使っていた問題をめぐる調査を再開すると明らかにした。

  先物市場動向によると、12月までの米利上げを見込む確率は70%を切った。この報道が伝えられる前は74%だった。この算出は次回の利上げ後に実効フェデラルファ ンド(FF)金利が平均0.625%になるとの仮定に基づく。

  MUFGセキュリティーズアメリカのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス氏(ニューヨーク在勤)は「クリントン候補の電子メールをめぐる調査再開で、トランプ共和党候補が勝利した場合、債券市場で何が起きるのかということを垣間見た」と述べ、「市場は明らかにトランプ候補の勝利は株式市場にとって悪材料であり、景気により一層の不透明感をもたらすだろうと考えている。従って米金融政策当局は利上げを見送る可能性がある」と続けた。

  ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、2年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下して0.85%。同年債価格(表面利率0.75%、償還期限2018年10月)は2/32上げて99 25/32。

  ジェフリーズのチーフ金融エコノミスト、ウォード・マッカーシー氏は、「クリントン候補が
有力視されている一方で、トランプ候補はワイルドカードと見られている。その観点から見ると、(クリントン候補のリードが縮小した場合に)市場参加者は積極的にリスクを取ることはない」と述べた。
原題:December Fed Rate-Hike Odds Slide Below 70% on FBI Clinton Probe(抜粋)

◎NY金:続伸、3週間ぶり高値-クリントン氏電子メール問題で

  28日のニューヨーク金先物相場は続伸。米大統領選の民主党候補ヒラリー・クリントン氏が国務長官時代に私的な電子メールを使っていた問題について、米連邦捜査局(FBI)が調査を再開したと伝わったことに反応した。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は前日比0.6%高の1オンス=1276.80ドルで終了。引け後の電子取引では一時1.3%高の1285.40ドルと、4日以来の高値をつけた。

  BMOキャピタル・マーケッツの商品トレーディング担当ディレクター、タイ・ウォン氏は「退屈していた市場は材料を見つけた」と指摘。「週末のサプライズに対する割安な賭けと考えられる」と述べた。

  銀先物も上昇。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のプラチナとパラジウムも値上がりした。
原題:Gold Rallies to Three-Week High After FBI Reopens Clinton Probe(抜粋)

◎NY原油:反落、クリントン氏のメール問題再燃を嫌気

  28日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が反落。ほぼ4週間ぶりの安値を付けた。

  米連邦捜査局(FBI)はヒラリー・クリントン氏の電子メール問題をめぐる調査を再開。これを受けて株安に転じたことが原油売りを誘った。石油輸出国機構(OPEC)は原油生産調整会議で減産の詳細について協議する。

  シティ・フューチャーズ・パースペクティブのエネルギーアナリスト、ティム・エバンス氏は「石油トレーダーはS&P500種の下落に反応している。供給はまだ豊富にあり、OPECの協議は詳細が明らかになる必要がある」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物12月限は前日比1.02ドル(2.1%)安い1バレル=48.70ドルと、終値としては4日以来の低水準となった。ロンドンICEの北海ブレント原油12月限は76セント(1.5%)安の49.71ドル。
原題:Oil Falls to 4-Week Low as OPEC Discusses Quotas, Equities Dive(抜粋)

◎欧州株:続落、決算失望でABインベブ安い-銀行株は高い

  28日の欧州株式相場は下落。企業決算発表が集中する中で業績不安が広がり、指標のストックス欧州600指数は5日続落となった。

  世界最大のインスリンメーカー、デンマークのノボ・ノルディスクや、ベルギーのビールメーカー、アンハイザー・ブッシュ(AB)インベブなどの決算が失望する内容だった。一方、スイスのUBSなど銀行の四半期利益は予想を上回った。ドイツ10年債利回りが6カ月ぶり高水準を付けるなど国債利回りが上昇局面にあり、これが数週間にわたり銀行への支援材料となっている。

  CMCマーケッツ(ロンドン)の市場アナリスト、ジャスパー・ローラー氏は、「利回り上昇により銀行をめぐる金利環境が改善され、債券取引収入が増えている」と指摘。「その他の業種は、まだ決算シーズンにあることや幾つかの中銀会合を来週控えているため、買い控えられている」と語った。
  
  ストックス600指数は前日比0.3%安の340.80で引けた。前週末比では1%安と、ここ4週間で3回目の下げとなった。ノボ・ノルディスクは15%下落し、2002年以来の大幅安。ABインベブは4.3%下げた。
原題:European Stocks Fall on Earnings While Banks Lose Laggards’ Spot(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債は月間で2013年来の大幅下落へ-世界債券安で

  28日の欧州債市場で、ドイツ国債は月間ベースで2013年以降で最大の下げへと向かった。世界の主要中央銀行が緩和策抑制に動きつつあるとの観測を背景に、世界的な債券売りが強まった。

  欧州債の指標とされるドイツ10年債利回りは約6カ月ぶりの高水準に達した。米国とオーストラリアの10年債利回りも5月以来の高水準となった。世界的にインフレ加速の兆候が見られ、米当局が年内に利上げするとの観測が高まった。

  28日発表された10月のドイツインフレ率も約2年ぶりの高水準に達し、インフレ押し上げに向けた欧州中央銀行(ECB)の取り組みが成果を出しつつあることを示唆した。

  みずほインターナショナルの金利戦略責任者、ピーター・チャトウェル氏(ロンドン在勤)は、「これまでの売り浴びせは、インフレ上昇のほか、量的緩和の今後などECBの次の動きをめぐる不透明感が前提となっていた」とし、「これらの条件は変わっていないため、ECBに関してさらに強い確信が生まれるまで、相場に強力な支えを見いだすのは難しい」と語った。

  ロンドン時間午後5時現在、ドイツ10年債利回りは前日比ほぼ変わらずの0.17%。一時は0.22%と、5月5日以来の高水準を付けた。月初来では29bp上げており、このまま今月の取引を終了すれば2013年5月以来の大幅上昇となる。同国債(ゼロクーポン、2026年8月償還)のこの日の価格は98.379。

  ECBが来年3月まで予定されている1兆7000億ユーロ規模の資産購入プログラムについて縮小準備を進めているとの臆測から、ユーロ参加国の国債は今月前半に下げていた。

  イタリア10年債利回りは5bp上昇し1.59%。6月24日以来の高水準となる1.65%まで上昇する場面もあった。同年限のスペイン国債利回りは3bp上げ1.23%。
原題:German Bonds in Worst Month Since 2013 Amid Global Selloff(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE