米国株(28日):続落、FBIがクリントン氏メール問題の調査再開

更新日時
  • 株価下落は大統領選前のぜい弱なセンチメントを示唆
  • シェブロンは上昇、ヘルスケア銘柄は下落

28日の米国株式相場は続落。S&P500種株価指数は6週間ぶりの安値となった。クリントン民主党大統領候補が国務長官時代に私的な電子メール・サーバーを使っていた問題をめぐり、米連邦捜査局(FBI)が調査を再開したと伝わったことが響いた。

  FBIの調査再開のニュースが伝わると、株価は日中の高値圏から一気に下げに転じた。これより先には、米実質国内総生産(GDP)統計を受けて、堅調な経済を背景に企業利益が押し上げられるとの観測が広がり、株価は上昇していた。アルファベットやシェブロンは値上がりした一方、医薬品株は売られた。

  S&P500種株価指数は0.3%安の2126.41で終了。一時は0.4%上昇していた。下げ幅は0.6%に拡大する場面もあった。ダウ工業株30種平均は8.49ドル(0.1%)安い18161.19ドル。一時は0.5%値上がりしていた。ナスダック総合指数は0.5%下落。

  ロバート・W・ベアードの機関投資家担当株式セールストレーダーでマネジングディレクターのマイケル・アントネッリ氏は、「クリントン氏の勝利が疑いもなく織り込まれていた。予想が狂うと、市場は拒否反応を示す」と指摘。「マーケットは新たな不確実性を再び織り込まなくてはならず、今は山盛りの不確実性と向き合っている。確率や考え方を変える必要がある」と述べた。

  コミーFBI長官は議会の各委員長8人に宛てた書簡で、「FBIは別件に絡み、以前の調査に関連すると思われる電子メールの存在を把握した」と記述。「調査官が一連の電子メールを調査し、その中に機密情報が含まれていたかどうか見極めることできるよう、FBIは適切な調査措置を踏む必要があるとの見解に同意した」と説明した。

  株式市場ではクリントン氏勝利の見方が広がっていた。最新のリアルクリア・ポリティクスの世論調査では同氏が約5ポイントリードしている。

  12月の米利上げ確率は70%に低下。クリントン氏のニュースが伝わる前は74%だった。来週の会合での利上げ確率は20%未満となっている。

  第3四半期の米実質国内総生産(GDP)成長率は前期を上回った。在庫の伸びや大豆の輸出増加が反映された。一方で個人消費は減速した。10月の米消費者マインド指数(確定値)は速報値から下方修正され、2014年以来の低水準に並んだ。

  ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズで米仲介事業の最高投資ストラテジストを務めるマイケル・アローン氏(ボストン在勤)は、「さらなる景気加速が確認された。12月の利上げに向け米金融当局に一段の自信を与えるだろう」と述べた。

  決算で動いた個別銘柄では、アッヴィが6.3%安。利益はアナリスト予想をわずかに上回ったものの、主力のリウマチ治療薬「ヒュミラ」の売上高は予想に届かなかった。

  一方、マスターカードは3.2%高となり、最高値をつけた。利益と収入が市場予想を上回った。

原題:U.S. Stocks Decline After FBI Reopens Probe Into Clinton E-Mails(抜粋)

(第5段落以降を追加し、更新します.)
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