【日本株週間展望】3週続伸、米経済の堅調と円安-決算も後押し

  • 日米金融政策決定会合は現状維持の見通し、波乱要因にならず
  • 為替の不透明感が薄れる、日経平均は1万7800円台も

11月第1週(10月31日-11月4日)の日本株は3週続伸する見込み。米国では経済の改善を受けて年内に利上げが行われるとの見方が強まり、為替の円高懸念が後退した。輸送用機器や機械など輸出関連株を見直す流れが続き、四半期決算の発表が本格化している国内企業の業績見通しの改善を評価する買いも入りそうだ。

  米国では1日から連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。10月に入り、米経済の緩やかな回復や要人発言から利上げ観測が高まり米国金利が上昇、日米金利差の拡大でドル高・円安が進んでいる。今回のFOMCで政策変更はないとの見方が大勢だが、FF金利先物市場が織り込む12月までの利上げ確率は27日現在73%と、9月末の59%から上昇している。1日に供給管理協会(ISM)製造業景況指数、3日にISM非製造業指数、4日は雇用統計と10月の経済指標の公表が相次ぐ。ブルームバーグによる非農業部門雇用者数の市場予想は前月比17万3000人増。足元の堅調な経済が確認されれば日本株の支援材料になる。

1日からFOMC

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

  国内では主要企業の四半期決算発表が本格化している。大和証券によると、26日時点で主要200社のうち47社(開票率24%)が16年度上期決算を発表。四半期の経常増益率(開票率13%)は前年同期比9.6%減と前四半期より減益率が縮小している。同証の石黒英之シニアストラテジストは「第1四半期が底で第2四半期に利益が回復してきている企業は多い」とみており、決算も日本株を後押ししそうだ。第1週は10月31日に三菱重工業や三菱電機、村田製作所、11月1日にソニーや新日鉄住金、2日に伊藤忠商事などが発表予定。また、日本銀行は10月31日から金融政策決定会合を開く。市場関係者の圧倒的多数が現状維持を予想しており、相場への影響は限定されそうだ。

  ただ、東証1部の騰落レシオが140%を超えており、テクニカル指標上での過熱感が意識されやすい。また米国株は大統領選挙や利上げによる経済への影響が不透明なことから高値もみ合いが続き、日本株も上値を抑えられる可能性がある。日経平均株価はチャート上の節目である4月の1万7600円近辺で利益確定売りが出やすく、上昇ピッチが鈍りそうだ。第4週の日経平均は前週末比1.5%高の1万7446円41銭と続伸。ドル・円は28日に7月29日以来となる1ドル=105円台に乗せ、企業業績に対する過度な不安が後退。日本銀行の上場投資信託(ETF)買い観測も支えとなった。  

《市場関係者の見方》

ドルトン・キャピタル・ジャパンの松本史雄ファンドマネジャー
  「目先は米国の利上げ観測の強まりから円安、日本株も緩やかに上昇しやすい。米経済指標は大きく下振れる可能性は低く、米国の12月利上げの方向性に変化はないだろう。円のロングポジションはまだたまっており、円安の余地はある。日本企業の業績上向きが期待される。これまで出た決算はまちまちだが、円高で会社計画未達ということを株価は織り込んでいる。懸念材料は利上げ接近で米国株が上昇しにくくなっていること。米国株のボラティリティが高まれば日本株も影響を受ける」

大和住銀投信投資顧問の岩間星二ファンドマネジャー
  「日経平均は1万7800円まで上昇する可能性がある。今回のFOMCは動かないとみる。日本の金利が固定される中、米国の12月利上げに向けて日米金利差が拡大、円安傾向に変化はない。日銀はインフレターゲットの期限を外したことで追加緩和を焦る必要がなくなり、ノーアクションで株価の材料にならないだろう。米大統領選や欧州金融への懸念が縮小する中、過去の決定会合時のように日銀政策の不透明感はなく、日本株は上がりやすい。7-9月決算は外需のモメンタム改善、内需のモメンタムはピーク感があるという形で予想通り、株価面のサプライズは小さい」

アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパンの寺尾和之取締役
  「米経済指標は強めの数字が出るとみており、金利高でドル高・円安となって日本株は堅調な地合いが続く。世界的に景況感は改善基調にある。企業決算はポジティブなものが多く、ネガティブな決算でも下値では買いが入っている印象。日経平均の上値めどは1万7800円。値動きが小さい中で上昇してきたため過熱感はそれほどない。一方、金利が上がることで高配当銘柄など債券の代替投資として買われた銘柄は売られやすい」

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