ドル・円は3カ月ぶり高値を更新、105円台前半-米GDP期待で

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  • 午後に一時105円42銭と7月29日以来の水準までドル高・円安が進行
  • 年末までにもう少しドル高・円安が進む可能性-外為どっとコム総研

28日の東京外国為替市場ではドル・円相場が1ドル=105円台前半で推移し、午後に入り約3カ月ぶりの高値を更新した。海外時間に7-9月期米国内総生産(GDP)統計の発表を控える中、前日の米金利上昇を背景としたドル買いが相場を支えた。

  午後3時21分現在のドル・円は前日比0.1%高の105円38銭。正午前に105円06銭までドル安・円高に振れたが、午後には一時105円42銭まで上昇し、前日の海外市場で付けた7月29日以来の高値(105円35銭)を更新した。ブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日に一時1213.04と3月16日以来の高水準を付け、同時刻現在、ほぼ横ばいの1212.17。

  外為どっとコム総合研究所の神田卓也取締役調査部長は、「ドル高の基調がまた少しはっきりしてきたという印象。11月の米大統領選もトランプリスクが非常に後退してきており、そこをクリアすれば12月には利上げが見込める」と指摘。「さらに年末に向けては通常、ドル需要が高まるので、年末までにもう少しドル高・円安が進む可能性は高まってきた」と語った。

  前日の米国市場では、年内の利上げ観測が高まったことを背景に長期金利が上昇。ドルは主要通貨の大半に対して上昇した。米金利先物動向に基づきブルームバーグが算出した年内の米利上げ確率は73%程度。一方、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ決定を見込む確率は約17%にとどまっている。

  ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH)外国為替部の村田雅志通貨ストラテジストは、「ニューヨークで105円台までドル高が進むと思っていなかったので意外だった。米GDPへの期待が強まったことが背景だろう。市場予想を上回る可能性を織り込んでドル高が進んだ」と説明した。

  ブルームバーグの予測調査によると、米商務省が発表する予定の7-9月期の実質GDPは前期比年率2.6%増加が見込まれている。4-6月期の1.4%増加から伸びが加速する見通し。

  BBHの村田氏は、相場の反応について、「市場予想を上回り、2%台後半の良い数字となれば、ドル高が進む見通し。12月のFOMC後、来年も利上げを続けられるとの観測からドルロングが積み上がりやすい。来週のFOMCまでの間に、7月に付けた107円台半ばが視野に入る」とみている。一方で、「市場予想を下振れて2%台前半になれば、ドル・円は下落するだろう。下値めどは103円ちょうどぐらい。ただ年内の利上げ確度は高いので、ドルが売られても103~104円のレンジにとどまる見込み」と予想している。

  総務省が朝方に発表した9月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は前年比0.5%低下と市場予想と一致し、7カ月連続のマイナスとなった。10月の東京都区部コアCPIは0.4%低下と市場予想(0.5%低下)を上回った。9月の完全失業率は3%と市場予想(3.1%)を下回った。9月の家計調査(二人以上の世帯)の実質消費支出は前年比2.1%減少となり、市場予想(2.7%減少)を上回った。

  クレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司外国為替部長は、「東京地区のCPIは強めだったが、悪天候による生鮮野菜の値上がりなどの影響とみられ、日銀政策うんぬんという話ではない」と指摘。「日銀のイールドカーブコントロールで日本の長期金利はゼロ%近辺に抑えられるため、海外が上がればそのまま金利差拡大で資金は海外に流れる。このため、世界的な金利上昇は円売りを助長すると思うが、米大統領選も近く、105円台なので利食いは出やすいだろう」と述べた。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.1%高の1ユーロ=1.0910ドル。ポンド・ドル相場はほぼ横ばいの1ポンド=1.2160ドルとなっている。

  BBHの村田氏は、「ポンドはフラッシュクラッシュで急落したが、ここまでポンドが下がれば、短期的には英国景気に悪い話ではない。英国の利下げ観測が後退している。ここからポンドがさらに下がるのは難しいだろう」と分析。また、「ユーロ圏の景気も安定している。欧州中央銀行は12月に動くという人もいるが、量的緩和の拡大はない見通し。経常黒字もありユーロも下がりにくい」と見方を示した。

  中国人民銀行は28日、人民元の中心レートを前日の中心レートに比べて0.18%引き下げた。週間ベースでは4週連続の引き下げとなり、2015年3月以来の長さとなった。上海市場の人民元はほぼ横ばいの1ドル=6.7794元程度。

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