サムスン電子、李在鎔体制が幕開け-「ノート7」危機にカンフル剤も

  • 李副会長の登記理事就任が正式決定、発言力拡大しリストラ加速も
  • 「新時代が来ると思う」-韓国投資バリュー資産運用のイCIO

韓国サムスングループを支配する創業家の「皇太子」、李在鎔(イ・ジェヨン)氏の権限が拡大した。同氏がそれをどう行使するのか推測ゲームが始まっている。

  サムスン電子は27日に臨時株主総会を開き、李在鎔氏(48)が登記理事(取締役に相当)に就任することが正式に決まった。同社は新型スマートフォン「ギャラクシーノート7」の販売打ち切りで高級テクノロジーブランドのイメージが悪化、利益が大きく損なわれている。これまであまり目立たない幹部だった同氏は今後、経営上層部に対し大きな発言権を持ち、リストラや合併、資産売却などを含む戦略的な要求を行うこともできる。

  サムスン電子は減益決算も同日発表した。ノート7のリコール(無料の回収・修理)が業績に打撃を与え、7-9月(第3四半期)純利益は4兆4100億ウォン(約4070億円)に落ち込んだ。ノート7の問題に伴うコストは最終的に60億ドル(約6300億円)を超える恐れもある。

  李在鎔氏は既にサムスン電子の副会長を務めており、父親の李健煕(イ・ゴンヒ)会長が心臓発作で2014年に入院した後、影響力をつけている。サムスングループは金融サービスやホテル、バイオ製薬、ファッションにまで幅広い分野に手を広げており、李一族は複雑な株式持ち合いを通じて同グループを支配している。このため、旗艦企業であるサムスン電子の登記理事に在鎔氏が昇格したのはある意味で戴冠式とも受け止められる。

  韓国投資バリュー資産運用のイ・チェウォン最高投資責任者(CIO)は「李在鎔体制が正式に始動したと言えるようになった。新時代が来ると思う」と述べ、在鎔氏の影響力増大が困難な状況にある同社にカンフル剤になると予想。同氏が「リストラプロセスを加速させ」、サムスンは市場に対してより友好的になるとの見方を示した。

  在鎔氏はノート7の問題に加え、グループ支配構造の簡素化などを求めるヘッジファンド運用会社エリオット・マネジメントからの圧力にも対応する必要がある。

原題:Samsung Scion’s Reign Begins Amid Note 7 Smartphone Crisis (1)(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE