【個別銘柄】キヤノン安い、田辺三菱薬急落、富士通や大京は大幅高

更新日時

27日の日本株市場で、株価変動材料のあった銘柄の終値は以下の通り。

  キヤノン(7751):前日比3%安の2961.5円。2016年12月期営業利益計画を2650億円から前期比34%減の2350億円に引き下げると26日に発表。市場予想2548億円を下回った。クレディ・スイス証券では円高影響を除いてもレーザービームプリンター(LBP)の構造的苦戦と複写機の金額ベースでの停滞が継続しており、全社での利益成長が見通し難いと分析。JPモルガン証券は投資判断を「中立」から「アンダーウエート」に引き下げ。

レーザービームプリンター苦戦続くキヤノン

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  田辺三菱製薬(4508):6.9%安の1976円。米バイオジェンは26日、田辺三菱薬から開発権などを取得した自己免疫疾患治療剤「MT-1303」の開発を継続しないと発表した。野村証券はMT-1303は田辺三菱薬のパイプラインでは2番目に期待された開発品で、開発中止はネガティブと指摘した。同証ではMT-1303のピーク売上高は29年3月期に日本で263億円、ロイヤルティー収入は26年3月期に89億円と試算していた。

  海運:日本郵船(9101)が1.5%安の200円、商船三井(9104)が2.8%安の243円、川崎汽船(9107)が1.5%安の260円。郵船の17年3月期経常損益は200億-300億円程度の赤字になりそうだと27日付の日本経済新聞が報道。海運市況の低迷で会社計画の50億円の黒字から一転、5期ぶり赤字になるという。商船三井と川崎船も通期見通しを引き下げる可能性があると同紙。海運は東証1部業種別指数の下落率で1位。

  富士通(6702):7.8%高の599.3円。27日午後1時に7-9月期営業利益は前年同期比2.5倍の371億円になったと発表、市場予想139億円を大きく上回った。システムプラットフォームが大幅増益となったうえ、ユビキタスソリューションは黒字転換した。このほかレノボとPC事業での戦略的提携を検討中とも発表。

  大京(8840):12%高の221円。発行済み株式総数の8.33%、金額で100億円を上限に27日から自社株買いを行うと発表。同時に公表した4-9月期決算は営業利益が前年同期比39%減の65億9200万円となったものの、期末配当予想を4円から6円に増額。21年3月期までの中期計画では株主還元強化が盛り込まれた。SMBC日興証券は、配当予想引き上げと自己株取得方針を含めた中期計画はポジティブと評価。目標株価を180円から210円に引き上げた。

  オリックス(8591):8.3%高の1619.5円。発行済み株式総数の2.97%、金額で500億円を上限に27日から自社株買いを行うと発表した。クレディ・スイス証券では、自社株買いの可能性を想定していた投資家は極めて少ないと考えられポジティブ、と指摘。また7ー9月期純利益が654億円と同証事前予想642億円を上回ったことも評価した。

  LINE(3938):6.3%安の4495円。26日発表の1ー9月期純損益は53億円の黒字(前年同期は76億円の赤字)だった。このうち7-9月期について野村証券では、成長ドライバーとして注目していたパフォーマンス型広告の売上高は約36億円と、同証予想の44億円を下回ったと指摘。メッセンジャー型広告の増収率もややもの足りない印象を持ったなどとし、同期決算に特段のポジティブ要因はないとした。

  日本航空電子工業(6807):9.6%安の1566円。17年3月期営業利益計画を160億円から前期比30%減の125億円に下方修正すると26日に発表、市場予想は144億円だった。ゴールドマン・サックス証券は下方修正の主因はミックス悪化と費用増で、主要顧客の要求変化に対する対応で収益改善を進めにくい状況と分析した。

  山陽特殊製鋼(5481):7.4%安の528円。17年3月期営業利益計画を124億円から120億円に下方修正すると27日正午に発表。1.7%の増益予想は一転、1.5%の減益となる見込み。鉄スクラップ価格の上昇や特殊材事業や素形材事業で損益の悪化が見込まれることなどを勘案した。

  日清製粉グループ本社(2002):2.9%安の1562円。27日午後2時に17年3月期営業利益計画を243億円から前期比3.1%増の245億円に上方修正したものの、市場予想256億円は下回った。

  日立化成(4217):4.3%安の2379円。17年3月期の営業利益計画を540億円から前期比5.7%減の500億円に下方修正すると26日に発表。スマートフォン向けなどエレクトロニクス関連市場に減速感がみられるとしたほか、自動車関連市場の需要伸び悩みが響く。野村証券によると、会社側は26日の電話会議で、通常10-12月が季節的ピークとなるスマホ需要が今期は7-9月だったようだとしていると指摘。同証では短期での業績・株価モメンタムが鈍る可能性があり、株価の上昇余地は限定的との見方を示した。

  カカクコム(2371):3.6%安の1755円。ゴールドマン・サックス証券は26日に投資判断を「中立」から「売り」に、目標株価を1700円から1400円に引き下げた。主力事業の価格.comと食べログは開始から10年以上経過し成熟化したと分析。主に価格.com事業での中期の成長率期待の低下を織り込み、今期以降の営業利益予想を引き下げた。

  日本電子(6951):6.7%高の431円。クレディ・スイス証券は半導体微細化の進展で注目度が高まるマスクのマルチビーム描画装置に関するリポートで、日電子の投資判断「アウトパフォーム」、目標株価510円で調査を開始した。マルチビーム開発で先行、理科学・医用事業で業績拡大が期待できると指摘。11月11日予定の決算発表で17年3月期業績計画の下方修正などがあれば、悪材料出尽くしになるとの見方を示した。

  IHI(7013):3.8%高の277円。クレディ・スイス証券は25日に会社側が発表した子会社IHI建機の売却について、構造改革が目に見える格好で動き始めた点は高評価可能と指摘。海洋構造物事業での不採算3案件の損失が消滅すれば1ドル=100円でも600億円水準の営業利益を稼ぎ出せる収益構造にあると分析、投資判断「アウトパフォーム」、目標株価350円を継続した。

  日本空港ビルデング(9706):3.5%高の4090円。17年3月期営業利益計画を129億円から88億円に下方修正すると26日に発表。訪日外国人客の「爆買い」沈静化などが響く。モルガン・スタンレーMUFG証券は、会社側の新計画は市場期待値を大きく下回る水準で短期の株価調整は不可避と指摘する一方、年初来で同社株はTOPIX比で16%下落しており、今回の下方修正で悪材料出尽くしに、とリポートに記述。羽田空港の国際化、訪日需要拡大、2020年東京五輪など中長期成長シナリオは不変として投資判断「オーバーウエート」を継続。

  JR東海(9022):2.1%高の1万7895円。メリルリンチ日本証券は26日に投資判断を「中立」から「買い」に、目標株価を1万8400円から2万1000円に引き上げた。訪日外国人の首都圏空港の利用率の高さ、関西圏での宿泊比率の増加、交通費支出比率の増加などを勘案すると新幹線需要の増加が見込めると指摘。業績感応度の高い新幹線需要の好転などを評価した。  

  アドバンテスト(6857):1.4%高の1393円。17年3月期営業利益計画を110億円から前期比15%増の145億円に上方修正すると26日に発表。採算性高い製品の売上構成比が上昇していることが寄与した。市場予想の131億円を上回った。

  滋賀銀行(8366):3.6%高の546円。4-9月期経常利益は122億円と従来計画の80億円を上回ったもよう、と26日に発表。与信関連費用が想定を下回る見込みのほか、株式関係損益が計画から上振れる。

  イチケン(1847):22%高の377円。 17年3月期営業利益計画を25億円から35億円に上方修正すると26日に発表。商業施設の完成工事高が増加、工事採算性の向上で収益が上振れた上期動向を反映した。期末配当計画も1株8円から9円に引き上げ。

  ユアテック(1934):12%高の705円。17年3月期の期末配当予想を1株6円から10円に引き上げると26日に発表。年間配当は20円と前期実績15円(特別配3円含む)から5円の増配方針。同時に公表した4-9月期営業利益は前年同期比6.5%増の48億8500万円、従来計画の42億円を上回った。屋内配線や配電線などの分野で完成工事高が増加した。  

  デジタルアーツ(2326):3.8%高の2770円。4-9月期営業利益は従来計画比30%増の7億8900万円になったようだと27日午前にした。地方自治体の情報セキュリティ対策が強化されるなか、主力製品「i-FILTER」や「m-FILTER」への需要が飛躍的に拡大、案件獲得が順調に推移した。

  東リ(7971):2.1%高の336円。17年3月期営業利益計画を40億5000万円から前期比15%増の44億円に上方修正すると27日午前に発表した。原材料コストや製造原価の低減などで売上総利益率が改善、販管費も削減した。

  アイモバイル(6535):東証マザーズ市場に新規株式公開し、初値は公開価格を6.8%下回る1230円となった。同社はクリック課金型の広告配信やアフィリエイト事業などを展開している。17年7月期の営業利益計画は前期比2.1%増の21億9100万円。終値は1214円。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE